年内立春、新年立春、元旦立春…そして立春大吉

年内立春、新年立春、元旦立春…旧暦は「立春」いろいろ。

さて、まだ日本人が旧暦で過ごしていた頃。

月日は、お月さまの満ち欠けによる太陰暦で決められたから、太陽の動きを元にした「立春」は、毎年、おおよそ暦の12月15日から正月15日の間をいったりきたり

なので…。

・旧年の12月中に立春があれば「年内立春」
・新年1月にあれば「新年立春」
・30年に1回ぐらいの割合で、元旦と立春が同じ日となれば、「元旦立春」
(あるいは「朔旦(さくたん)立春」)。
…と呼び名も変わった。

特に「元旦立春」は、1年の始まりと、季節のスタート「春」がピタっと同時で、めでたささひとしお。
その年はすごーくいいことありそうです。

ならば、近々の「元旦立春」はいつ?
と、調べたら2038年!!
うーむ、中途半端に遠いです。

それでも、暦を眺めて、立春近しとなったら、今年はどっち?と調べてみるのも面白いと思います。

今のカレンダーの感覚から言えば、ファジーで落ち着かない感じがしますが、「立春」が複数ある面白さ。
昔の人は、あんがい、この微妙な違いにいろいろ意味を見出して楽しんでいたかもしれません。

「立春大吉」というコトバも覚えておこうっ!

この写真は、数年前の立春の日に偶然懐石料理をいただく機会があって、そのもてなしにしつらえていただいたもの。

「立春大吉」のお箸袋と箸置き代わりの柊です。

立春大吉の箸置き

「こう縦書きにしますとね、すべての文字が左右対称になりますでしょ。これは、縁起のいい言葉の証です」と、仲居さんにそっと教えていただき、「あっ!本当だ」と無邪気に驚き喜ばしく。

放って帰えれず、いただいてきたもの。

のちのち調べてみれば、立春の日の早朝、禅寺では、「立春大吉」と紙に書いて、山門に貼る習慣があり、懐石料理ですから、そこから発想したおもてなしだったようです。

昨日の節分にて、邪気を祓い、立春を向かえた今日は、すべて大吉。

そう、清々しく感じたことを思い出し、「立春」の日は、その下に大吉とつけて幸運な季節のスタートを切ろうとする自分がいます😊。