料理ができない人って、やっぱりカッコ悪いけど、やたら気取って料理をするのももっとかっこ悪い。
食べるってコトは、もうしょうがないほどの人間の欲
…生きている以上逃れられないコトの筆頭である。
だからそれを満たす食事を整える
…整え方というのは、ヒトの生き方も左右する。
そして、いついかなる時も、ささっと自らの手で料理できてしまうというのは、何を隠そう、ヒトをもっとも自由にする。
自分らしく生きる、大きな手段を手に入れている。
…と、重松清氏の最新作『ファミレス』は、そんなテーマで綴られた物語。
主人公は、50歳前後のおっさんたちだし、みんな家庭に小さな問題を抱えている。
そんな中年おっさん小説でもあるけれど、物語のあちこちにこれでもかっ!と挿入された、そのおっさんたちの料理が、そのまま彼らのキャラクターを表現しちゃっているってのがすごいので、あえて、2回も同じ本のレビューをしてしまう次第。(ひとつめはこっち→小説『ファミレス』…もう抜き書きしまくりましたよ!料理レシピっ!)
食うことはヒトをそのまま表現し、食を整えるコトは日々そのヒトを成長させるんだなぁ。
ちゃんと料理して食べてれば、怖いことはないよ。
とココロから思える本。
そして、登場する料理の描写は、レシピも作り方も、小手先の技も、ざっくりとだけど余すことなく表現。
小説を横目に見つつ、包丁を握るってのも可能なのである。
包丁が苦手なら、抜群にうまい卵かけごはんなんてのも登場。
読了したら、何かひとつ、気に入りの料理を作ってみよう。