こう呼ぶとかっこいいかもと思った『Ikebukuro West Gate Park』も、はや10作目

IWGP10久しぶりの 石田衣良氏の池袋ウエストゲートパークシリーズPRIDE プライド―池袋ウエストゲートパーク〈10〉』 (文春文庫)

もう、10作目かぁ!

でも、主人公・真島誠も池袋のチームGボーイズのキング・タカシもあまり年をとっていない。
それでも違和感を感じないのは、もうすでにサザエさんとかドラえもんみたいな位置づけに近づいたからかしら?

…っていっても、第一作目から二人ともなんだかおっさんだったけど(笑)。

マコトは、果物屋の店番をしながらクラシック三昧、しかもレアアイテムに超詳しい。
タカシはいつもブランドモノに身をつつみ移動は手下にメルセデスを運転させて、ややありえない。

しかし、その奇想天外さもこの物語の魅力なんですけどね

ロングラン人気の秘密は、今をとらえるアンテナ

10作目まで来てしまうとかつての新鮮さはないけれど、世の中のダーティな部分の今を捉えるアンテナは健在。
作家の石田衣良さんは、どこでこうゆうことを取材するんだろう。

「無くしたはずの携帯電話のデータをネタにしたゆすり」とか、「秋葉系アイドルとファンの話」「自転車による悲惨な交通事故」、そして、「残忍なレイプの話」
みんな、その断片を近頃TVなどで見て、たぶんココロのどこかに引っかかっていたことばかり。

ただ、IWGPのネタも、だんだん陰湿でスケールも小さくなりがちだなぁ…と。
それは、そのまま、社会の雰囲気がせこく、しかし陰湿にじめじめ湿ってきたってことなんだろうか。
なんだろうなぁ…。
うーん。

そして、なんか、第一作から読み返してみたくなったりして(笑)。
ああ、いつもの悪い癖。