今、ココロからこれがやりたい!と思うことをシゴトにしてしまえ!…シンプルに言うと本書はそうゆう話

ホリエモンこと堀江貴文氏と、レコーディングダイエット&スマートノートのオタキング岡田斗司夫氏の、対談集を読了。

ホリエモンオタキング

タイトルは、『ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!』 (一般書)
となっているけど、カネばかりではなく、我慢してしがみついている会社や組織、立場とか。
もしかしたら、読むヒトによっては、漠然とした不安みたいなモノからも解き放ってくれるかもしれない。

たとえば…。

「シゴトは遊びじゃあないんだ、真面目にやれっ!」

と普段からおっしゃっているような、それこそクソまじめな、仕事人の方がいたとして、このふたりの「真面目に遊んでるようでいて、それをシゴトにしてしまう様子」を見てしまったらまずは、落ち込むんじゃあないか。

しかし、その後、よーく考えてみれば、自らは、どうも旧態依然というかステロタイプのシゴトの仕方にとらわれていなかっただろうか?
…なんて、途中で気づきがあるかもしれない。

まあ、気づかないかもしれないけどね。

本書は、ホリエモンが刑に服する以前の2010年5月12日と2011年4月5日。
そして釈放後の2013年6月18日に都内で行われたトークイベントをもとに構成・加筆。
そこに、オタキングのまえがきとホリエモンのあとがきが加えられた内容。

数年前の話が、今ごろ現実になっている部分がまず面白い

その「あとがき」に触れられているけど、まずは、2010年・2011年にふたりが語ったコトが、今ごろ現実になってきている「先見の明」的部分が面白い。

というか、リアルタイムでトークイベントを聴いたとしても、もしかして、今ほど理解できなかったかもなぁ
…などとも思う、新しさなのである。

といっても、第一章・二章で語られるコトは、このふたりの著書を少なからず読んでいる私にとっては、周知の事実。

かるくウォーミングアップ的に読み進み、しかし、第三章「貨幣経済の限界」あたり。

現在の貨幣経済のレイヤーから緩やかにスライドさせるカタチで、「高い評価を得るヒトほどやりたいコトをやれるようになるという」評価経済の仕組みがすでに始まっている。
…という話が展開されるあたりから、果然面白さが増してくる。

たとえば、身近な人に頼られる人。
周りに喜んでもらえる人…etc。
…というのが、評価。

そんな風に、多くのヒトから支持され評価されるならば、「私はコレをやりたい!」と宣言すれば、お金がなくても、おのずと、一緒にやりたい、手伝いたいと寄ってくるヒトが登場。

そうした、人々と、緩やかで暫定的なコミュニティを作り、何かを成す。

そうすれば、自然に人生は豊かになってゆくだろう。

…というのが、ざっくり言う「評価経済」。

競争しないと発展しないかも…という人間の本質的な部分を思えば、「貨幣経済」同様、多くの「評価」を獲得するための「競争」は無くならないけど(地球上の人類すべてが同じように評価されるというコトはないだろうから)、そういう発展の方向ならば、少なくとも、いまあるニッチもサッチもいかない閉塞感は解消されるんじゃあないだろうか?

だって、お金のためとか生活のためではなくて、自分のやりたいことのために考えて努力するって話ですもん。
なんどでも、切り替えしができそうだし、「すごーく勝たなくともいいのよ俺は」という生き方もオッケー。

実績ありの実践派ふたりの話だからこそのリアリティ

このお二人。
こういう考え方を言い放ち&評論しているだけでなく、実践派であるところが素晴らしい。

ということで、第5章&第6章は、今やりたいことを実行するにはブレスト編…になっています。

現在、ホリエモンが動かしている民間によるロケット開発。

そのプロジェクトをもっと身近なイメージにしたて、実現促進してゆくという目的でアニメを作りたい。
と彼が言えば。

それじゃあ、ネットの仕組みをフル活用して、素人だけで傑作アニメを作るには?
…に発展。

印象としては、賢く実行力のある子供の妄想SF会話。
次から次へと飛び出してくる、アイデアが斬新にして秀逸で、読む側にまで昂揚感をもたらします。

既成概念にまったく囚われていないどころか、利用可能な部分はまあさくっと利用してみようか的に距離を置き、SFチックな発想と思っていた部分もよくよく聞けば、マジで実現可能?

しまいに、そのアニメプロジェクト、もちろん、やるんですよね?
と、読者は、もうその気になっている。

やりたいことだけをやる。
みんなで楽しく暮らす。

コレって、モノの見方と日々の動き方をちょっと変えれば、けっこう可能なのかもと思えてしまう。

今、自分が幸せじゃないと思う暇があったら、とにかく動き出さなければ、幸せにはなれないよ。
とマジで思ってまでしまいました。