密かに小川未明、myブーム

久しぶりに、小川未明の本を再読したら、その作品を全制覇したい…とか無謀なことを思い始め。
勢い、myブームになっている。

童話も初期の頃の小説も、まだ読書途上ではあるものの、そこには大人になってから読む発見的面白さがあって、さらにもっと面白いのは、その娘であり同じく児童文学者の岡上鈴江さんが書いた小川未明回想記。

小川未明

「父小川未明 」(新評論)である。

人間・小川未明は、平成を生きる私には、明治のお父さんの典型といった風。

ひとつの理想に向かって生きる真摯な生き方、家族には、厳格に振舞いながらも、やや破天荒で、そして可愛い。
多くの同世代の文学者たちとの交流も垣間見え、「そうか、この作家も小川未明と親しかったんだ」と思えば、また違った気分でその作家の本まで食指を伸ばしたくもなる。

戦前の一時期、危険思想家として特高の尾行がついていたことも、実はこの著作で始めて知った。

岡上鈴江さんは、惜しくも2011年1月、97歳で逝ってしまったが、父、小川未明に関する著作は数多く、さらに、自らの童話作品、翻訳など、またも多作。

そこに、また、幼い頃に読みふけった翻訳童話が登場し…うーん、このまま興味の赴くままに読書すると何年でも持ちそうです。

ああ、読書の楽しみは、読めば読むほど無限大に広がってゆきます。