ポンカン、伊予柑、清見、デコポン、せとか、はるみ、たんかん、晩白柚、八朔、文旦、日向夏、甘夏みかん、はるか、黄金柑、河内晩柑、ひめのつき…。
ふーっ、たくさんありますねぇ。
これらは、ここ数日にスーパーの果物コーナーを行脚して(暇っ!)見つけた日本産のかんきつ類の名前です。
多くの日本の柑橘類の旬は春だと気が付いたのは、実は、もうすっかりオトナになってから。
いつも盛夏に探して、フロリダ産のオレンジはあるのに、伊予カンとか夏みかんは何故ないの?
などと訝しがっておりました。
「冬みかん」はコタツにあたって食べる、その名のとおりに冬の味覚なもんだから、「夏みかん」は夏かしらというイメージがあったんですよねぇ。
しかし、旬は1月下旬から4月ぐらい。
春のものです。
今ごろならば、風情のある名を持つ日本の柑橘類が、堂々、果物コーナーを席巻しており、その名とカタチを見ているだけでもなかなかに興味深い。
どうせなら、春みかんというコトバで売ってほしいよ。
で、今年も旬のみかんを食べようと、スーパーに繰り出して、どこも結構な種類で賑わっているため迷う。
迷いに迷って、けっきょく、よりリーズナブルなもの=より旬のものという判断で、写真の4種類を購入してみました。
左上から時計回りに「伊予柑」「日向夏」「デコポン」「せとか」。
ちなみに、「デコポン」の名は「熊本果実連」の登録商標で、実は「不知火(しらぬい)」なんて、忍者みたいな名前が本名だったりするそうです。
とすると、「伊予柑」「日向夏」「不知火」「せとか」。
おおっ、なかなかいい語感の組み合わせではありませんか?
それでは、せっかくですので、それぞれについて少し詳しく。
◆「伊予柑」は、愛媛県産の栽培が最初なので「伊予」の国の蜜柑でこの名が付いたのだそです。
でも、発見されたのは明治時代に山口県の萩市でなんだそうで、ミカン類とオレンジ類の交雑種。
「夏みかん」と同じぐらいおなじみの日本柑橘で、カタチも似ていますが、夏みかんに比べて、皮が向きやすいし薄皮もすぐむけ、果肉も甘く食べやすいのがなかなかに好ましい柑橘類です。
◆「日向夏」は、「ひゅうがなつ」と読む。
実は、江戸時代後期に宮崎県で偶然発見された柑橘だそうです。
「ゆず」の系統のと考えられているそうですが、表面の黄色い皮だけむいて、中の白いところをつけたまま食します。皮はナイフでなければむけないけれど、なんとなく蜜柑らしくない面白い食べ方です。
◆「デコポン(不知火)」は、頭がぼこっと飛び出している柑橘だから。
これもだれでも知っている柑橘の種類。
こんなごつごつした印象のものですが、手で簡単にむけて、袋ごと食べられて甘い。
カタチはずいぶん違うけど冬みかんと同じぐらい手軽に食べられるもんだから、買ってきてもすぐに消費してしまいます。
◆最後の「せとか」は、極々新しい品種で、2001年に登録されたもの。
果肉はやわらかく果汁は豊富で濃厚な甘み。
これも、冬みかんのように袋ごと食べられます。
ちなみに、これらの柑橘類の説明は、すべてスーパーの棚から学んだもの。
詳しい食べ方が写真入りで書いて貼ってあったり、小さなカードがいっしょに置かれていたり。
日本の柑橘類の生産者は、PRの努力も怠らない、生産物に対する真摯な姿勢が好ましく、とにかく、これだけあれば、防カビ剤まみれの輸入オレンジなんか目じゃないんじゃない?
そもそも、日本語の柑橘類は、その名前がいい。
とても趣深く美しく、とりあえず一度は食べなくちゃという気になりませんか?
そして、名は体を表して、旬の時期ならどれも非常に美味です。
できれば、違う種類を1個ずつ選んで小さな籠に入れたりして、店のお薦めパッケージなんてあったらいいなぁ。
…というアイデアいかがでしょうか。
美味しいし、面白いしで、今年の春は、できるだけのいろんな種類の日本柑橘を食べてみよう…なんて、変な目標まで掲げてみたりします。
…と、実だけのブレンド品ならありました!
「清見」と「デコポン」のミックスだそうです。
「こんな売り方はわけありなんだろうなぁ」
「自分で剥いて食べろよなぁ」
…とか思って、普段は、こんな出来合い商品は買わないのですが、「日本柑橘のブレンドかぁ…」と思っているうちふらふらっとお買いあげ。
こうして食べると、見た目もいいし、いっそう美味しく感じられるのは、目に鮮やかななオレンジ色というのもあると思う。
朝食にはフルーツを少々が習慣の私。
しばしつづく、朝の日本産柑橘は、こんな盛り付けで楽しみながらいただきましょうか。
…と、プラスチックの赤い楊枝風のモノ。
そっと洗ってスプーンコーナーにしまってみました(笑)。
◆今日は、2014年4月13日/旧暦3月14日/弥生甲寅の日