商店街の魚やさんを覗けば、銀の刀のように煌めくもの。
背中が青々とヒカリ、いい感じで脂ものってそうなやつが、やっと一尾120円!
目元も濁らず、生きもよさそう。
東京地方では、落語「目黒のサンマ」にちなんで、「目黒のさんままつり」が開かれるのが有名だけど、それが今年は9月14日。
その頃、街の魚屋でもスーパーの鮮魚コーナーでも、まだまだサンマは高くて一尾200円とか300円とかを超えていて手が出ません。
10月に入って、やっと秋刀魚(サンマ)の旬を迎えたみたいです。
女川、気仙沼、大船渡、宮古、釜石、小名浜…
これらはすべて秋刀魚の陸揚げ上位に入る漁港、そして、三年前の震災の被災地でもありました。
2011年は、東のほうで育たなければ、実はなじみの薄いだろうこれらの地名が何度もニュースで流され、そんな悲しいことで全国区になりました。
津波に襲われ、破壊しつくされた海岸線にたたずみ、悲嘆にくれる漁業従事者の方々の報道もずいぶん目にし、だから東北で水揚げされた秋刀魚は当分たべられないのだろうなと覚悟した。
しかし、あの年も東北の地で陸揚げされたサンマは、多くの人々の、いつも以上に数知れない努力の末に、ちゃんと我が家の近くの魚屋にもやってきた。
鋭利な刃先のようにキラキラと光る新鮮なサンマに添えられた東北の水揚げ地入りの値札を前に、涙がでるほどに感動した記憶があります。
以降、サンマは、本格的な秋を告げる以上に、私にとっては大切な魚。
食べ物でもありつつも、秋の初物サンマは縁起物以上の縁起物でもあるのです。
さあていただきましょう!
初物サンマを、七輪で煙にまみれながらじっくり焼いて食べるのが、ちょっと憧れですが、都会ぐらしにははた迷惑。
しかし、グリルではなく、せめて、焼き網に乗せ遠火でじっくり焼いて大根おろしをたっぷりつけていただきます。
今年の秋刀魚は大ぶりで脂がのって、ことさらに美味しい。
いつもの雑穀米や玄米食を止め、今日は白いご飯にきまり。
ああ、ごはんがすすみます。
ついつい、勢いづいて三尾も買ってしまいましたがあとはどうしようかなぁ。
今年は、久々にサンマを刺身にして食べてみたいけど、ああ、またも包丁を研ぎににだしていない。
サンマの刺身は、切れすぎるぐらいの包丁じゃあなければうまくおろすことができないのでした…。
ふーむ。
今年こそは自分で包丁研ぎができるようになるぞ!と決意。
って、秋刀魚を見ながらのこの決意…今年で何回目かしら?
◆今日は、2014年10月10日/旧暦9月17日/長月甲寅の日
◆日の出5時43分 日の入17時13分/月の出18時31分 月の入7時18分