牡丹と言われているけど、キャベツやブロッコリの仲間です。
昔々は、土にまみれて暢気な野菜をやっていたというのに、いつしか美しくなる才を見込まれて、度重なる品種改良。
その運命は大きく変わり、ハッと気づけば冬には欠かせぬ立場の花と登りつめておりました。
…って、今が旬の花、葉牡丹のお話です。
花屋&庭園etc。こいつが活躍し始めれば、もう今年も終わり
…の合図が送られてくるように思うんですよねぇ。
葉牡丹って。
実際、花屋の店先では、すでに鉢部門の代表格としてお目見えを果たし。
庭園などでは、冬支度のすんだ木々に添えられ..。
年が押し迫った気分にさせるのは、葉牡丹をあしらった正月用の寄せ植え鉢とか、クリスマスが済んだら登場する門松の根元もこの花が飾るはずです。
ああ、2014年ももう去りゆくなぁ…(遠い目)。
「こりゃあ、食っちまうより見たほうがいい」
と思った植木職人でもいたんでしょうか?
「葉牡丹」の由来となる野菜が日本に伝来したのは、鎌倉時代とも江戸時代初期とも。
品種は、あのキャベツと同じなんだそうですが、球状にはならず、葉っぱが鮮やかに色づき幾重にも重なる。
そこが気に入られたのかどうなか、江戸時代中期以降の空前絶後の園芸ブームの波に乗せられました。
ってコトで、朝顔やら菊やら、なにやらと同じく、工夫を凝らされ、斑入りとか紅白二色とかまで作られて、好事家たちにも珍重される。
つまり、牡丹という華やかな名に恥じない姿かたちになったのは、江戸人たちの洗練をうけたから
…というので間違っていないかと思います。
日本が開国されるや、海外へも輸出。
今は世界の多くの地域で栽培される種でもあります。
だから、牡丹というよりバラのような扱いで売ってましたよ。
これをこんな風にバラと混ぜて飾っても、華やかさにおいて引けをとらない。
そして、葉っぱなんで、バラよりずーっと長持ちです。
上の花々の中でバラがダメになったあとは、残った実つきの枝などと飾りなおして、さらに持たせる。
このままクリスマスの飾りをつとめるのも可能だわ。
しかし…じーっと眺めていると、やっぱ、お正月のことを考えていたりするなぁ。
ああ、一年は早い早い。
ぜったい、影で早回しのボタンを押しているよこれは。
◆今日は、2014年12月16日/旧暦10月25日/神無月辛酉の日
◆日の出 6時43分 日の入16時29分/月の出 0時34分 月の入12時29分