七十二候は「橘始黄(たちばなはじめてきばむ)」。街の柑橘類も、これだけは暦通りにばっちり色づきました!/12/2=旧10/21・壬子

季節の暦・七十二候は、今日から「橘始黄」に入りました(12月2日~6日)。
読みは「たちばなはじめてきばむ」で、「橘(たちばな)」の実が、黄色く色づき始めるころという意味です。

そしてここでいう「橘」は、柑橘類の総称説と、古くから日本に自生していた常緑の柑橘種「橘」のことを言った説があるみたいです。

まあ、東京では、多くの柑橘類の実がほぼ一斉に色ずくので、どちらでも良しとしたい。

そうなんですよねっ!
「橘始黄」は、東京の柑橘事情に併せたかのようにピッタリ!

ご近所の庭々では、申し合わせたように、ここの柑橘(品種不明)も。

民家の蜜柑

こっちの金柑だって。

きんかん

これは柚子ですよね、たくさんあっていいですねぇ~的に。

柚子

艶々した葉っぱの緑一色の塊に、ポツポツと黄色いドットを描いてみせております。
多少気候的なずれがあろうと何のその、これだけは、ここ数年、絶対七十二候どおりなんですよねぇ。

ちょっと10分もうろつけば、必ず目に入ってくるんでややびっくりです。
これは、私の育った東北の街ではない光景で、何回も季節はめぐったというのに、毎年、柑橘の実りを眺めるのは特別な感じがするのです。

皇居の庭の柑橘も、じわじわと黄色みがかっております。

仮にご近所に柑橘なんかなってないよ!というなら、皇居東御苑に出向けば確実です。

ちょうど本丸跡地、天守閣のふもと、竹林の手前(というかWCの前)にいい枝ぶりの金柑。
その実も、黄色くなり始めておりました。

皇居の金柑

そして…!
果樹古品種園には、珍し柑橘がたくさん!

同じく、皇居東御苑の天守閣の反対側には、江戸時代の品種の果樹が植えらる一角があって…。

臭橙(カブス)って何?
カボス

と思ったら、「カボス」って、かつてはそう呼ばれてたんだぁ!とか。

九年母(クネンボ)とか。
クネンボ

沖縄の方言でみかんのコトらしいですが…ちょっとまた聞きなので確かではありません。
江戸時代にもあったのかな?

これはまだ青い?と思ったら、ヘリの方がうっすら黄味がかっています。

こちらは、三宝柑(サンボウカン)という品種。
デコポンに似てますね。
三宝柑

和歌山県の特産品で、なんと春の季語。
このままゆっくり熟すんですね。

そして、きれいに美味しそうな色合いになったのは、紀州みかん

紀州みかん

江戸の豪商・紀伊国屋門左衛門が、紀州から荒波をものともせず江戸に運び大儲けしたと伝わるみかんがこれ。

いやぁ、さすが皇居の庭です。
なんでもあって楽しいですね。

ああ、でもな。
肝心の橘(種の総称ではなくて、固有名詞の方です)がなかったな。

…って後で調べたら、金柑のそばにあったらしい!!
うっそー!

年内にまた皇居の庭に再訪しなければなりません。

楽しいといえば…。

数年前のまさに「橘始黄」の頃。
早めに熟したらしい、夏ミカンを枝ごといただいたコトがあります。

その証拠写真がコレ。

なつみかんもらう

ちなみに、夏みかんって呼んでるだけでそうゆう柑橘の品種はないそうなんですけどね。

ホントは枝ごと持ち帰りたかったんですが、かなりがさばるもんで、途中、実だけをもいで枝は捨てた。
ああ、あのまま枝ごと運んで、大振りの花瓶に生けて、飾って⇒食す。
というのをやるべきだったなぁ。
と、実はときどき今でも後悔しきりな記憶でもあります。

って、実はせっせと食べて、皮はきちんとママレードにして、徹底的に食い尽くすることも忘れてはいませんでしたけどね。

ってコトで、毎年、今ごろ各種柑橘の姿を眺めてうろうろ寄り道。
いつかまた、ただでお持ちくださいの恩恵に遭遇しないだろうかと、下心満載で眺める我が町の柑橘でもあるのです(笑)。

◆今日は、2015年12月2日/旧暦10月21日/神無月壬子の日
◆日の出6時32分 日の入16時28分/月の出22時45分 月の入11時16分