明治村が舞台ってとこが、もう琴線に触れまくりです。

小路幸也発掘本(=好きな作家の本なのに未読だった本)をもう一冊。
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今度は、「わたしとトムおじさん」と、いきなりほのぼの系のタイトルですが、「ひきこもり」とか「いじめ」とか。
それがメインテーマではないけれど、物語に欠かせない要素としてそこに在る。
…といった感じの物語。

素直にほのぼのできないけれど、それがあるから、この先はどうなるの?次は?と、ページをめくるモチベーションが高くなります。
けっきょく、本作も、あっという間に読了。
…私の睡眠時間を奪うカタチでですが。

いちばん琴線に触れたのは、単なるテーマパークと思っていた博物館明治村。
古い建物を守りつつ、そこで商売をやる(洋食屋とか蕎麦屋とか、ホントに泊まれるホテルとか)というカタチで、村を盛りたてる人々がいて、実際村内に住んでいるという設定。

いや、明治村についてはよく知らないんで、作家によるフィクションではなく、たぶん本当のコトなんでしょうが…どうなのかな?

とにかく古いモノや博物館好きの私にとってはもうココロ惹かれまくり。

そして、トムおじさんは(生粋の日本人なのに、斗六=トム)、ひきこもり気質の青年。
しかし、その稀有な才能により、今は、明治村内で、建物から生活用品、美術品にいたる古いモノの修復&複製をナリワイとする。
わたし、帆奈(ハンナ)は、トムおじさんの姪にして、イギリス人父と日本人母のもとに生まれたハーフの女の子。NYで育ったものの、父母が別居することになり小学生にて単身明治村の祖父母を頼って渡日した。
…そして、当然のことのように日本の小学校でいじめにあい、不登校に。

このココロに傷を持ちつつも、魅力あふれる2人が繰り出す感動の物語。
それが、本書にはぎぎゅっと詰まっているのである。

…しかし、ああ、明治村。
さっそく、行ってみたくなりました。

…って、そんな読後感かい!とひとりつっこみ。
それでも、この物語の舞台と思えば、そこが、なんか懐かしくも思えてしまうんですよね。