今日は、二十四節気の「処暑」の日。
江戸の暦の参考書『暦便覧』には、「陽気とどまりて、初めて退きやまむとすればなり」と記されています。
「立秋」を過ぎてもまだまだ暑かったけれど、ここにきて初めて暑さが退き始めるということですか。
うーん、でも、まだ暑いです。
が、たしかに、時々肌に感じる風に秋の気配はあるかもしれない。
特に、朝夕に吹く風には、「おやっ!」と思わせる、一瞬の涼しさが含まれているような…。
となれば、夜間の寝苦しさが無くなるのももうすぐ、あとは、少しずつ気持ちのよい時期に入ってゆくような予感もあります。
あっ!栗の木に、イガイガの実がなっていますね!
そういえば、処暑のあたりは、秋の実りの前哨戦でもありましたね。
栗は、イガイガの実をつけはじめ…。
青柿も、もうずいぶん大きくなりました。
故郷の東北では、今ごろ市場に出回る桃を追いかけ、名産のりんごが、大きくなりつつあります。
って、まだ青いですけどね。
ああ、とうとう夏も暦の上だけでなく、実際にも終盤に近づいてゆくんですね。
となればちょっと寂しい…。
なあんて、暑い暑いと夏をやや毛嫌いしていたくせにいい気なものです。
処暑がすぎれば、秋の台風の季節到来。
しかし、ほっとできない事情もあってそれは、台風。
来る「二百十日」と「二百二十日」は、暦日の「雑節」でいう<台風がきて天候が荒れやすい時期>で、実際、気象の世界でも台風襲来の特異日とされています。
ちなみに、特異日とは気象用語で、科学的には(つまり気象学的には)理由はわからないけれど、どうゆうわけか特定の天気が現れる傾向の強い日のコト。
統計的に特定の天気になることが多いってコトでしょうか。
一方、雑節の「二百十日」と「二百二十日」は、シンプルに立春から数えて、210日目と220日目。
そもそも「雑節」の役割は、農事の季節の目安で、それは、農民たちの経験的な生活の知恵から生み出されてきたものともいえます。
宇宙に気象衛星まで打ち上げて分析する科学万能の時代の台風の特異日と、それがまったく同じというもの面白いものですね。
秋の台風は、時々残暑を舞い戻らせるいたずらもしますが、台風一過の抜けるような青空を運んでくることのほうが多いものです。
そして、台風がひとつ来ては、少しずつ涼しくなってゆきます。
ここ数年は、夏の入り口から大きな台風がやってきて、大きな被害とひどい暑さを運んでくる。
今も、暴力的に集中して降る雨が、中国地方や九州地方に甚大な被害をもたらしたりしています。
ああ…。
しかし、この時期に台風がやってこないと、なかなかうまく秋にうつれない。
ぼやぼやしていると、秋が来ないで、そのまま夏→初冬にワープするというのも最近の傾向。
なので、どうぞ、秋の台風は、おだやかにやってきて、すっと去っていただけないか…などと、祈る思いですごす。
そんな、涼しさの予感だけの、暑い処暑の日。
まだ、初秋の入口を探す日々でもあります。
◆今日は、2014年8月23日/旧暦7月28日/文月丙寅の日