雪の戸外で鑑賞する冬ぼたんは江戸人によるオリジナル。雪の日に鑑賞が正統ですが…晴れた日に観に行っちゃいました。/1/27=旧12/18・戊申

来年こそは雪が降った時に見に行こう!

…とココロに誓ったものですが(←大げさ?)、その来年の雪の日(1月18日月曜)は、外出したなら絶対風邪気味が本格的になりそうな懸念で断念。
その後、先週末も雪の予報が出ていたものの珍しく晴れ続き。

ってところできれいな写真に、誘われちゃったんで…。

冬牡丹の看板

雪もないのに、あっさり見に行ってしまいました(笑)。

上野東照宮・牡丹苑の「冬ぼたん」!

そうだ、牡丹苑って、東照宮の庭園だったんだっけなとにわかに気づき、今年は、ちゃんと鳥居⇒巨大灯篭の参道を通って向かってみます。
纒(まとい)の札が飾られた山門を見上げつつくぐると…。
上野東照宮山門

正面には、2014年秋に補修が終わって妙にきらびやかによみがえった東照宮。

上野東照宮拝殿

日本にひとつしかない金箔の唐門ですよ!

その左手手前に、案外ひっそりたたずむのが牡丹苑の入口です。

牡丹苑入口

正月仕様の飾りをまずは眺めて…。

こんな風なのが、入口の左右に配置され、門松風を狙ったのかな?

牡丹苑

でも、個人的には、昨年同様ここにも牡丹のひとつも置いてほしいな。
葉牡丹があるからいいとした?

雪ん子みたいな、可憐な冬牡丹は、確かに今が見ごろかも

ここ半月ほどは、刺すような寒さが続きますが、そのまえのコトを考えると気温が高かったからでしょうね。
もう、目いっぱい咲いてるって感じです。

冬ぼたん

ああ、せっかく菰を可愛くかぶってるんだし、雪がふったら雪ん子風でマジ可愛いんだけどなぁ…。

冬牡丹
ってコトで、雪景色も一枚。お楽しみください。

冬ぼたん

うーん。やっぱ雰囲気あるなぁ。
先週雪の翌日にでも出向けばよかったかもなぁ…。

職人技で咲かせた「冬牡丹」

牡丹は栽培の難しい花らしく、それをわざわざ冬に咲かせた冬牡丹は、やはり職人の知恵と知識と根気ある管理が必要。

もともと、春と冬の二期咲きの性質を持つ品種が少なからずあって、このうち低温で開花する冬咲きのものが、昔より「寒牡丹」とか「冬牡丹」とか。
とはいえ、ほっといても自然に開花するのはその2割もないんだとか。

牡丹の盛り、初夏の花もそうだけど、冬ぼたんとなると、職人たちの一層まじめな努力が花を咲かせてきたってコトみたいです。

戸外の雪の中で牡丹鑑賞するスタイルは日本オリジナル!

牡丹の花は、奈良時代に唐から伝来したもので、「寒牡丹・冬牡丹」を咲かせる技のほうは、江戸時代に清国から入ってきたんだとか。

江戸時代といえば、空前の園芸ブーム。
そのブームにのって植木職人たち一挙に増え、関わるヒトが多ければ知恵も経験も多彩になって、花樹の品種改良の技もどんどんと磨かれた。

花の少ない正月に大輪の牡丹を咲かすという技は清国からの輸入だとしても、雪降る戸外で牡丹を咲かせ、それを鑑賞するというスタイルを完成させたのは江戸人だったそうですよ。

ちなみに、東照宮の公式ホームページによれば、東照宮ぼたん苑の牡丹は、春夏に寒冷地に置いて開花を抑制⇒秋に温度調整して冬の開花に備える。
という作業に丸二年も費やすとか。
ああ、ここにも江戸の植木職人のDNAが息づいているかのようです。

ってコトで、ここで、雪の中の冬牡丹の写真をもう一枚。

冬ぼたん

営々と続いた職人たちの努力と苦労、知恵知識を知れば、やはりありがたいほどの美しさです。

今年、もしも雪が降る日があったら、今度こそっ!
今年の冬牡丹は、~2月28日(日)までです。

◆今日は、2016年1月27日/旧暦12月18日/師走戊申の日
◆日の出6時45分 日の入17時02分/月の出20時12分 月の入8時21分