毎月28日は、不動明王さまのご縁日。
今日はその最初の初不動です。
私の初不動参りは、深川のお不動様。
今日は、山門には、ちゃんとその垂れ幕が張られ….。
ここをくぐれば短い参道なのですが、縁日屋台がひしめいております。
そして、そこで売られているものも、参道沿いのお店の雰囲気もただモノじゃない感が漂っていて、さすが深川のご縁日といった感じで惹かれまくる。
しかし、まずはお参りお参り、足早に通りすぎます。
深川不動尊は、本堂がふたつ。
お水舎でお清めしたら、まずは、お不動さまにお参りをします。
私の場合は、旧本堂から。
ここは、区内最古の木造建築だとかで、見てくださいこの見事な細工!
江東区の有形指定文化財の指定も受けた建物でもあって、まずはお参りがてら建物もしっかり眺めて堪能しましょう。
あっ!そのまえにお参りしなきゃ。
しかし、このお寺は、どうも誘惑が多過ぎで困ります。
この旧本堂に祀られているのは、身の丈1丈8尺(約5.4メートル)の巨大な木造不動尊像。
ひと呼んで「お願い不動尊」さまと申されますが、こちらはもちろん国内最大級。
初不動の今日は(ご縁日と日祭日も同様)11時、13時、15時の護摩のあと(ああ、この護摩経を読む声も境内に流れますがこれもぜひ聞いてください。ありがたさひとしお)、直接その国内最大級のお不動様に触れながら参拝することが許されてます!
これもちょっとカンドーしますのでおススメ。
本堂はこの近代的な建物ですが…。
建物の不思議なレリーフは、実は「梵字」
どこから読み始めるのかは不明なんですが、「のーまくさんまんだーばーざらだんせんだーまーかーろしゃーだーそわたやうんたらたーかんまん」と書かれている…らしい。
これは、護摩修行で僧侶が繰り返し唱えるお経なんだそうで、お寺の本堂らしからぬカタチに、らしすぎる意匠。
こうゆう古くて新しいところが、深川不動尊の人気の秘密なんでしょうか?
実際、このお寺は、縁日以外でもいつも賑やかですものね。
本堂内は、中に入ってぐるり参拝が可能です。
…というか見学なんですが(笑)。
中には、「クリスタル製の五輪の塔に納めれたミニサイズのお不動様が1万体」ならぶ祈りの回廊…だとか。
干支に併せた守り本尊をお参りする「十二支一代守り本尊」コーナー。
すごく立派な位牌堂に、200体もの大日如来像を祀るお堂の天井には美しい「大日如来蓮池図」。
…とただならない見どころが満載。
神々しすぎて(いや、いらっしゃるのは仏教界の皆さまですが)カメラむけられませんのでそれらは、深川不動尊の公式サイトでご覧ください。旧本堂の⇒深川不動尊境内案内
しかし、見応えありまくりなので、本堂内のお参りはぜひと申し上げたい。
…っていうコトで、初めての初不動なら想像以上に充実した参拝をして、なんかすがすがしい気持ちになったりもする。
ところでお不動様って?
そうそう、それは知っておいた方がいいよね。
背中に燃え盛る炎を背負い、憤怒の形相。
よくよくお顔を拝すれば、口元には牙まであって、それも左右で上下逆。
こんなお姿をしております。
右手に降魔の剣、左手には羂索という縄を持ち、いまにも、何かを切りさき、縛り上げる勢い。
…って絵馬で恐縮ですが、まあ、絵の方がわかりやすいってコトで(←写真が撮れてないだけです。)
仏教ワールドで「明王」は、悟りを開いた存在である「如来」の化身。
特に「不動明王」は、真言密教の教主「大日如来」の化身とされています。
「大日如来」さんは慈悲深い高貴なお顔なのに、化身しただけで、「不動明王」さんはなんでこんなに怖いキャラクターになったのはなぜ?
「優しいばっかりじゃあ、言うこときかないばか者もいるに違いない!」
ってコトで、あえてこのような姿なったってことらしいです。
つまり、信心する人びとのココロの弱さや狡さがこんな存在を生み出しているのかもしれないですね。
「不動明王」さんは、こんな風に、ヒトの苦しみを背負ってくださってもいる?
たとえば、同じく深川不動尊の「わらじ守り」
お不動さんは、「足厄消除」に関する様々な願いとともに、境内の大わらじにぶら下げられています。
…って感じで、お参りする場所も見る場所も多数。
御守りもかなりの数がそろってたりして、コンパクトな境内なのに、そうとうの時間を費やしちゃった。
江戸の当初は、富岡八幡宮の境内での不動明王ご開帳
…という、つまり、成田山不動明王の出張特別公開だったって知ってました?
それが、平成の世でも人々の篤い集める場所として続いいるのは、その不動明王の出張特別公開は、江戸人たちの熱い思いが実現させたモノだからというのも大きな理由じゃないかなと思う。
江戸のスーパースター、歌舞伎役者の初代市川團十郎は、成田山新勝寺の不動明王に、わが子の誕生を祈願して、ご利益あらたかに2代目が誕生。
それが縁だからか、2代目團十郎は、舞台でお不動さまを演じ大ヒット。
不動明王さんのポーズで見得を切った團十郎に向かって、賽銭はとぶは、観たものの病気が治ると噂になるはの大人気だったのだとか。
その人気が高じて、本物のお不動さまだって拝みたくなった。
…ってのがそもそものきっかけ。
実は、深川のお不動さまって江戸っ子によって勧請されたともいえるんですよね。
◆今日は、2016年1月28日/旧暦12月19日/師走己酉の日
◆日の出6時44分 日の入17時03分/月の出21時06分 月の入8時54分