江戸人たちは、立春から数えて花の見ごろを割り出した?
それはどんなことかといいますと…。
・「彼岸桜」⇒立春より五十四・五日頃より。
・「枝垂桜」⇒同じ頃より。
・「一重桜」⇒立春より六十日め頃より。および、立春より六十五日。
・「八重桜」⇒立春より七十日の頃より。
・「遅桜」⇒ 同じ頃より。
…と、おそらく経験値から、桜の見ごろの目安にしてたってコトです。
出典は、江戸末期の考証家に斎藤月岑(げっしん)がまとめた『東都歳事記 (1) 』(東洋文庫 (159))
(1838(天保9)年刊行。現在は、岩波書店から東洋文庫シリーズとして出版)。
江戸人の桜の見ごろを、2016年にあてはめますと…。
2016年の立春は、2月4日。この日を1日目として数え…。
・「彼岸桜」⇒立春より五十四・五日頃より。⇒3月28・29日頃
・「枝垂桜」⇒同じ頃より。⇒3月28・29日頃
・「一重桜」⇒立春より六十日め頃より。および、立春より六十五日。⇒4月3日~8日頃
・「八重桜」⇒立春より七十日の頃より。⇒4月13日頃
・「遅桜」⇒ 同じ頃より。⇒4月13日頃
たしかに、皇居の庭の「彼岸桜」は、3月29日に満開だった!
ちなみに、この日は、乾通りの通り抜けのあった日で、そこを抜けて来た方が大勢いらしたけど、この桜を見上げつつ。
「桜があまり咲いてなかったねぇ」とおっしゃってたのが、ちょっと可笑しい。
苦労して待ったというのに、3月29日時点での乾通りの桜は、まだ見ごろじゃなかったみたいです。
しかし、六義園の「枝垂桜」は、3月28日に見ごろになったみたい。⇒その日の六義園のツイートです。
ってか、ああ、今年は見に行ってないうち、散ってしまいそう。
近所だけど、入口に並んでるヒトの行列に恐れをなして…。
ソメイヨシノ=「一重桜」なんですが…。
今年の2016年関東地方の満開は3月30・31日あたり。
朝起きて、カーテンを開いたら、わが家から見える桜は、もうこーんな感じでばっちり咲き誇ってました。
そして、こちらが、同じく3月31日の上野公園。
並木道は通り抜けるだけで一苦労。
そして、天気予報の中継が各所で行われておりました。
トーハクの黒門の前にも桜が一本。
ここまで来てやっとほっとして桜を愛でます。
ちなみに、美しく咲いてますが、いずれの桜の木もまだ散るまではなく、つぼみも少々残ってるという感じでした。
我が標本木の具合はどうかなぁ…。
こちらは、4月3日・4日の観察ですが、江戸人の「一重桜」は、立春より六十日め頃より。および、立春より六十五日⇒4月3日~8日頃にぴったり合致したみたい。
・谷中路地の木はもちろん満開っ!
微妙に散り始めたあたりが美しいからね。
・駒込図書館の木もたっぷりと桜。
こちらも少しだけど散り始め、あたりに桜の花びらが程よく散って、風情があるんだぁ。
ふーむ。
侮りがたし江戸人の桜の見ごろの目安ってコトで、今年もほぼぴったりみたいです。
今年は、開花してから満開までも長く、見ごろが長くなったってのはあるみたい。
桜にとっては、咲いたら気温が低かったのがよかったんだね。
っていうか、桜咲くころが江戸時代と同じだったみたいってのは、こんな風なのが理にかなった気候なのかな。
お次はボリューム満点の「八重桜」。
江戸人によれば、「遅桜」とともに4月13日頃。
ところで「遅桜」ってのは?
「八重桜」以外の遅咲きの桜だそうですが、近所にあったか?
やっぱそこは、皇居の庭に行くしかないかな?
…そして、風に乗って散るソメイヨシノの花吹雪まで、今年も過不足なく楽しませていただきますよっ!
◆今日は、2016年4月6日/旧暦2月29日/如月戊午の日
◆日の出5時21分 日の入18時07分/月の出4時28分 月の入16時41分