季節の暦・七十二候は、とっくに「半夏生」の時期でした(7月1日~6日)。
読みは、そのまま素直に「はんげしょう」。
「半夏」は、烏柄杓(からすびしゃく)という薬草のことで、それが生じるころという意味。
…といってもいつものように、からすびしゃくなんて、やっぱり東京ではみません。(⇒画像検索しましたのでこちらで、口からひゅるひゅる舌出してるみたいなのがそれです。)
ところが、どんぴしゃりの「半夏生」ならほらこのとおり!
近所をぶらぶらすれば、ひとつやふたつ、鉢で育てるこの花に出会います。
ってことで、もう気分的にはそのまんま、この七十二候の時期は、「半夏生」の葉が白くなり、花咲く時期と認識してすごします。
「半夏生」の群生地だってありますよ!
しかも、東京のど真ん中!
…いつもの皇居東御苑、二の丸の雑木林を流れる小川のほとり。
ほらね、半夏生が群生しております。
ということで七十二候「半夏生」の時期には、皇居の庭に半夏生を見に行き、涼を感じる。
いい感じです。
おすすめです。
「半夏生」は、「雑節」の暦アイテムでもあります。
「雑節」は日本オリジナルの農業暦。
「二十四節気」や「七十二候」が中国で作られたものだけに、日本の気候と若干のずれがある。
それが、農業の目安としてはやや致命的。
なので、そこを補う意味で作られた暦で、他には、節分、彼岸、社日、八十八夜、入梅、土用、二百十日、二百二十日なんてのがあります。
「半夏生」過ぎても田植えが終わらずならば、米の収穫が減ると言われた。
ああ、そりゃ大変だ!
ってことで、かつて農家は、無理やりにでも「半夏生」までには田植えを済ませたんだとか。
たしかに、「半夏生」の数日が過ぎれば、次は、二十四節気の「小暑」、七十二候は「温風至(あつかぜいたる)」が待っている。
ああ、もはや本格的な夏。
そこまでずれこんだら、田植えするヒトも稲も暑さにやられかねないかもね。
ということで…。
「半夏生」の葉が白く化粧したかのように染まり、鎖のような花が咲くころは、そろそろ梅雨の後半です。
しばし、梅雨の終わりのころは、大雨の日が続きがち。
そうそう、そんな雨の降り方にも、昔の人は「半夏雨(はんげあめ)」。洪水なんかにも「半夏水(はんげずい)」とか特別な呼び名をつけて、注意喚起したそうですよ。
◆今日は、2016年7月3日/旧暦5月29日/皐月丙戌の日/月齢28日
◆日の出4時30分 日の入19時01分/月の出3時17分 月の入17時35分