季節の暦七十二候は、「蟋蟀在戸」に入っています。(10月18日~22日)。
「蟋蟀」=「きりぎりす」、「在戸」=「とにあり」と読んで、きりぎりすが、戸口で鳴くころ。
と、漢字の纏った複雑なイメージのせいで難しい?と一瞬。
しかし、案外意味はそのまんまです。
ああ、そろそろ寒くなるんだねぇ。
いままで草むらで鳴いていた虫も、10月中旬にもなれば、少し暖かな民家の戸口のあたりにやってくる。
残暑のこる初秋に「虫聴(むしきき)」といって、ひとびとが屋外へ出かけ虫の声を楽しんで、その頃は、まだ夕涼みもかねていたというのにねぇ。
朝晩は冷えて、虫も「在戸」=とにあり。
民家のほうが温かいですし、虫だって必死?
意味をたどってゆけば、暦は、しっかり寒さを表現しています。
実際には、まだ夏日がある今年の10月なんですが…。
「蟋蟀」の意味はきりぎりすじゃない説もある?
意味はストレートに読み通りなんですが、「蟋蟀」の意味に面白いマメ知識が眠っているのがおもしろいところ。
実は…
江戸時代の暦・「貞享暦」では、「蟋蟀」=こおろぎ
明治時代に作られた「略本暦」では、「蟋蟀」=きりぎりす
と、なぜだか小さく変遷してきたみたいです。
ちなみに、コオロギは「リリリリ」と鳴き、キリギリスは「ギース・スイッチョン」…的な鳴き方です。
…って、かなり違うじゃん!
明治に入ったらこおろぎがいなくなって、きりぎりすが台頭してきた?
と無駄に思考を重ねますが、実は、その理由は調べきれておりません。
七十二候「蟋蟀在戸」までには、栗をいただきたく!
個人的に目安にしていることですが、栗の旬は、例年七十二候「鴻雁来(こうがんきたる)」のあたり(10月8日から10月13日)。
雁は来るのかなぁ…と東京の空を見上げて、栗の実りをみつけるのがその頃で…。
雁はこなくても、栗は実る。(←栗の木のあるお宅を知っている)
⇒スーパーや青果店の棚をチェック
⇒旬の(=安い)栗を発見!
となるはずが、「菊花開」(10月13日~17日)にも栗はやってこず。
今年は待ちに待ちましたっ!
七十二候「蟋蟀在戸」の時期まで待って、やっと勝手七十二候「毬栗実」達成!
いやぁ、せめて秋の虫の声が聴こえるうちにと焦りました。
しかし、やっと出てきたのは大きく立派な栗!
ホントの栗の旬は、小粒の栗がお安くなる時期なんですけどねぇ…。
「今年は栗の時期が遅かったですねぇ」
「天候が悪かったから、旬も短くて、今年は、いまある栗で終わりだよぉ」
ってことで小粒も今年は入荷なし。
焦って立派な栗を500グラムばかしGETした次第です。
ああ、危なかったぁ。
さあ、今年の希少な栗は、どう食べようか?
栗ご飯は、絶対。
いつものように小粒な栗が手に入ったら今年は栗ジャムだぁ!とも思ってたんですが、ちょっともったいないよねぇ。
この色艶大きさだもん。
◆今日は、2016年10月19日/旧暦9月19日/長月甲戌の日/月齢18.1日
◆日の出5時51分 日の入17時01分/月の出19時46分 月の入8時55分