浅草寺「菊供養会」の日だけ限定「菊之御守り」。『観音経』が刻まれた「菊の葉」の意匠が美しいと思う。

「菊之御守」は、華やかな花ではなくて
シックな菊の葉っぱをモチーフにした。

ってとこが惹かれる理由。
浅草寺の縁起物の中でも、かなりおススメのお守りなんであたらめてここでご紹介します。

菊之御守

まずは、授与いただきましたら、袋から出す。

菊之御守り

おおっ!菊の葉っぱだ!
…と知っていながらもちょっとうれしい。

そして、葉っぱに二列描かれた、経文を読みます。

「具一切功徳 慈眼視衆生 福聚海無量 是故応頂礼」

「観音経」の一節です。

素人解釈&超訳ですが、意味はこんな風…たぶん。


具一切功徳…観音菩薩さまには、あらゆる功徳が具わっている。
慈眼視衆生…そして慈悲深いまなざしで、衆生(=わたしたち)を見守ってくださっている。
福聚海無量…観音菩薩さまは、海のごとく無限無量の福聚(=福と徳)をもって、衆生を救済する。
是故応頂礼…だからこそわれわれはお参りをして、「南無観世音菩薩」とその御名を唱えるべきである


ちなみに…。


観音様にお参りするときには、手を併せて「南無観音菩薩」とその名を唱えるのが作法。
たったこれだけで、厄難、災難から救われ、成仏までできてしまうのだとか。


なんとシンプルな信仰のカタチ。

一方、「観音経」のほうには、唱えるコトバ「南無観音菩薩」のパワーの裏づけとなる、観音様による奇蹟の例が説かれいるのだそうです。

うーん、シンプルで深い。
ちゃんと読んでみたいっ!(←といいつつ、一行も読めてませんが…)

こうゆう「簡単なのに深い」ところが、浅草寺の長い人気の秘密でもあるんでしょうね。

葉っぱの意匠は、中国故事から

パワーある「観音経」の一節を載せるには、意匠の葉っぱにも意味がなければバランスがとれません。
実は、この菊の葉っぱを象ったのには、菊が長寿の象徴となるにいたった、中国故事の存在があったりします。

こちらは浅草寺のサイトに由来があったので、ちょっと要約引用

<古代中国の周の国王・穆(ぼく)には、「慈童」という寵愛していた召し使いがいた。
ある日、彼は罪を犯して深山に追放になってしまう。
慈童をふびんに思った国王は、釈尊より賜ったという「観音経」の経文の一部を慈童に授ける。
慈童も、その一節を忘れないよう「菊」の葉に書き写し大切にする。

すると、その葉は不思議な力をもって、そこにしたたった雨露が谷川に流れ込んで霊薬に
⇒これを飲んだ慈童も住民たちも長寿を保っに至った>

ちなみに、侵した罪ってのは国王の枕をまたいだってことみたいです。
そんな粗忽な慈童でも、菊の葉っぱに観音経を書きつけたのはナイスアイデアだったねぇ!

ってことで、この「菊之御守」はカタチも纏ったご利益由来にしても個人的には超おススメ。
しかし、10月18日限りの年一回しか授与いただけません。
お忘れなく。

◆今日は、2016年10月18日/旧暦9月18日/長月癸酉の日/月齢17.1日
◆日の出5時50分 日の入17時02分/月の出18時55分 日の入7時46分