早世の作家、梶井基次郎の命日は3月24日で「檸檬忌」と呼ばれて有名。
それでも、好きな作家は生まれた日もきちんと記憶しておきたい気がして、毎年、2月17日の梶井基次郎の誕生日のほうが、ちょっと重要。
個人的には…ですが。
いつもこの日は、文庫版の『檸檬』を書棚から探し出し、外出先にももってゆく。
時間が空いたら、どこか静かな場所で、この薄い1冊をゆっくり紐解く。
そして、その鮮やかな色彩の世界をゆっくり味わってみたいと思います。
梶井基次郎のまなざしがとらえ描き出した物語には、モノクロの世界に一か所、いつも美しく鮮やかな色。
…のイメージ。
たとえば、この『檸檬』のなかで、美術書を積み上げた上に一個だけ置かれたレモンとかね。
もしかして、画家の瞳をもった作家だったのかなぁ…と、読むたびいつもその色彩描写に驚かされるのです。
◆今日は、2014年2月17日/旧暦1月18日/睦月己未の日
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