二=ふ(ひふみよのふ)、二=じ、三=さんと、日にちにかけた完全な語呂合わせにて2月23日は、富士山の日。
なんか日本人って昔からこうゆうの好きですよね。
でも私も好きです。
語呂合わせも富士山も。
そして、実際、空気が澄んでいる冬場は、富士山を眺めるには適した季節。
あんがい適切な「富士山の日」なんです。
さて、葛飾北斎の代表作「冨嶽三十六景」の46図のうち、江戸から見た富士山の絵は18図。
たとえば、「江戸日本橋」「江都駿河町三井見世略図」「東都駿臺」など今の日本橋や神田界隈をはじめ、「青山圓座枩」は青山、「隠田の水車」は今や信じられない原宿からの富士、「従千住花街眺望ノ不二」「隅田川関屋の里」などは足立区、荒川区の隅田川沿いのあたり。
さらに、品川の御殿山や多摩川から臨む富士を描いた「東海道品川御殿山ノ不二」「武州玉川」と、ずいぶん江戸のあちこちから見た富士山の絵が描かれ、江戸は、天候に恵まれさえすれば、いつでもあのパーフェクトなカタチの富士山に出会えた街だったことが解ります。
現在の東京は、高いビルが密集し、葛飾北斎が江戸の町のあちこちから富士を眺めたようにはいかないけれど、何年たとうといかに変化しようと江戸東京は同じ場所にあり、一方、富士山も同じところにゆったりといる。
葛飾北斎の富士の絵は、そう確信させてくれるものでもあるのです。
だから、よくよく注意すれば、まだまだ意外な場所で富士山に出会えるのが東京の街。
晴れた日に見晴らしの良い場所に来たら、西の方向を眺めてみる。
運がよければ、富士山の一部でもちょっとだけ。
それでも、なんかだ嬉しくなります。
東京は坂の街でもあって、その名前としては「富士見坂」が多く、かつて、それだけ多くの坂から富士山が臨めた名残。
たとえば、富士山を見たかったら「富士見坂」は、街がもたらす、富士見の重要なヒントです。
今日、折よく晴れ渡った1日ならば、ちょっとだけ、西の方角を気にしてみましょう。
◆今日は、2014年2月23日/旧1月23日/睦月乙丑の日