咲くを「笑う」と言ったセンスに脱帽!桃始笑/旧2/12・壬午

七十二候は、昨日より「桃始笑」に入りました。

私がいちばん好きな七十二候の季節の表現ですので、はりきって桃の花探しです。
…もちろん、花屋さんで、ですが。
…で、ですが、ない!

3月3日までは、あれほどどこにでもあった桃の花は壊滅状態。
もう花屋の中は、桜に移行しておりました。
うーん。

しかたないので、我が故郷の桃の花を。

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と言ってもコレ、昨年の今ごろ帰省した折に、JR福島駅に飾られていた観光PR用の早咲きの鉢植え…なんですけどねぇ。
まあ、時期が暦とあっているから良しとしてください。

ところで、「桃始めて笑う」と書いて、読みは「ももはじめてさく」ってこのセンス。
ものすごく素敵っ!
と、毎年思うのですがいかがでしょうか?

満開の花を正面から見れば、「笑う」という表現がふさわしいなぁと気づかせてくれるコトバ。
しばらく桃の花を眺めていると、小さなこどもがほっこり笑っているように見えて、こちらも微笑みたくなります。

この表現を最初に使ったヒトってだれなんだろうか。

現代の辣腕コピーライターだって、思いつかなさそうな、暢気でうららかで、天真爛漫。
まさに春そのもののイメージをまとった表現。

ちなみに、中国から渡ってきた「宣明暦」にも、桃を使った同じ意味のコトバがありますが、そちらは「桃始華」

だから、この笑=咲くは、日本流の表現です。

しかし、不思議なことに、このブログで基本としている日本製の「略本暦」を見ても、春分の候に「桜始開」、穀雨の候「牡丹華」、小暑の候では「蓮始開」と、別の花には、咲くの意味として「開」や「華」を使っているにもかかわらず、桃だけ特別扱いの「笑」。

ふーむ、なぜだろう?

気になって、折に触れ調べたりしているのですが、実は、なかなかその答えのしっぽが掴めません。

七十二候は、立春から初候、次候…とはじまりますが、しばらくは「東風解凍」 東風が氷を解かしたり、「黄鶯睍睆」鶯が鳴いたり、「魚上氷」氷が割れて魚が飛び出、「土脉潤起」土が湿り「霞始靆」霞がたなびき「草木萠動」 草木が芽吹く…。

花の開花は、桃が初めて。

だから、ちょっと特別扱いしてみたかった?
桃は長寿の象徴でもあるしね。
…と、とりあえず思うことにしています。

もし、お分かりの方がいたら教えていただければ幸いです。

◆おまけ。

実家のある福島の正真正銘「桃の木」です。
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といってもコレは、4月の中旬ぐらい。
桃の収穫めざして、花の選定のころの写真です。
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東北の街は、いちばん南の福島でも桃は4月中旬。
追って4月下旬が桜の季節。
まだ雪がちらつく日もあるけれど、そぞろ歩く自然の風景の中に春のしるしが目に見えて増えてゆくそのスタート地点が「桃始笑」のころです。

◆今日は、2014年3月12日/旧暦2月12日/如月壬午の日