今日は、二十四節気の「春分」。そして、お彼岸の中日です。
東北の家に帰って、まずは、牡丹餅作り。
もち米を炊いて搗く。
大雑把に丸めて、餡子、胡麻、枝豆をつぶして甘味をつけたずんだ…などをまぶす。
故郷のやり方にならって作ると、かなりおおらかな牡丹餅の出来上がり。
牡丹餅は、仏前に供えて、私もさっそく朝食代わりにいただきます。
そしたら、仏花とお線香を持って、先祖が眠るお墓へ。
…というのが、ここ数年のお彼岸の過ごし方。
どんなに忙しくとも、お彼岸の過ごし方はずーっとこう。
なのに、3年前の東日本大震災の年は、こういう過ごし方が阻まれて、以降、なんだかさらに不安が募った日々だったなぁ…と思い出すきっかけにもなっています。
春分の日は、太陽が真東から出て真西に沈む。
天文学的には、若干昼のほうが長いそうですが、昼と夜の長さがほぼ同じになる日です。
仏教の教えでは、太陽が沈む真西に、阿弥陀さまが住む極楽浄土があって、そこには祖先の霊が安らかに暮らしている。
それが「彼岸」。
そして、生老病死の四苦のあるこちら側の世界「此岸(しがん)」から、死者の魂は、お釈迦さまや阿弥陀さまの招きを信じひたすら念仏を唱えながら「彼岸」に到ったのだとされます。
「暑さ寒さも彼岸まで」のとおりに、厳しい寒さがなんとなく遠のき、いつの間にか空き地の雑草なども小さな花を咲かせている。
そんなのどかに晴れた日の夕暮れ時なら、西の空をオレンジ色に染める夕焼けはことのほか美しく。
なるほど、その彼方に、極楽浄土があると信じて祈った人々の気持ちが、現代人の心にも解るような気がします。
なんか、あちらに逝かれた縁のあるヒトの気配。
それを近くに感じるような
…故郷で迎えるお彼岸の数日は、そんな安心感とともにあります。
◆今日は、2014年3月21日/旧暦2月21日/如月辛卯の日