東京バンドワゴンシリーズ8作目を読み忘れてましたっ!!

小路幸也氏の代表作『東京バンドワゴン』シリーズ

2006年から、毎春、単行本が登場し、下町の古書店&カフェを舞台にくり広がる、ささやかながらも暖かな謎解き物語もすっかり春の風物詩のごとく。
2013年秋には、TVドラマにもなっちゃったりして、なにより、60歳で金髪の現役ロッカー役をいったい誰が演じるのかと思ったり。
そしたら、玉置浩二さんで、はまり役すぎてステキだった。

2014年バージョンもそろそろだなぁ…なんて思っていたら、オッと!2013年発行の『フロム・ミー・トゥ・ユー』を忘れていました。

ということで、早速。

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『東京バンドワゴン』は、これまですべて、幽霊のサチさんが語りを担当。

彼女は、古書店主の大じいちゃん堀田 勘一の亡くなった奥さん。大家族堀田家では、大ばあちゃんたる方でして、彼女がなぜか、現世にとどまり、狂言回しの役回りにて物語が展開するってのが定番でした。

が、シリーズ8作目の『フロム・ミー・トゥ・ユー』は、作品ごとに語りが違い、物語の主人公が、自分で自分の過去のエピソードを語るという趣向。

これは、1作目からずーっと読んできたファンとしては、そうとうに新鮮です。

物語は、全11作。
ちなみに、目次と、主人公は、以下のような感じになっております。

・1章/紺に交われば青くなる  
 堀田紺の若き頃、腹違いの弟・青と、父親の我南人が織りなす物語…を紺の語りで。
・2章/散歩進んで意気上がる  
 青の新妻・堀田すずみが語る。かつて一作だけ書いて、雑誌に掲載された推理小説。
 その舞台をたどりつつ、幼なじみの見舞いに行く勘一とこれも幼なじみの神主・祐円(ゆうえん)氏。
 そしてそこにつきそうすずみ。
・3章/忘れじの其の面影かな  
 ライターの木島主水氏が語り。主要登場人物のひとり、マードック氏にかけられた疑惑。その真相を確かめる。
・4章/愛の花咲くこともある 
 紺とその妻・亜美の出会いのエピソードを亜美の語りで。
・5章/縁もたけなわ味なもの  
 若きIT企業の社長にして、古書店東京バンドワゴンの常連客・藤島直也が語る。
 東京バンドワゴンに、彼が初めて訪れた日の話。
・6章/野良猫ロックンロール 
 我南人と、今は亡きその妻秋実のなれそめエピソード。
・7章/会うは同居の始めかな 
 青とすずみが結婚するまでのお話を青の語りで。
・8章/研人とメリーの愛の歌
 我南人の孫、紺の息子、研人が小学4年生のときの話。
 同級生・平本 芽莉依(メリー)と慈善バザーで<東京バンドワゴン・ワゴン>を。そこで起こったプチ事件と解決の語。
・9章/言わぬも花の娘ごころ  
 シングルマザー堀田藍子の娘・花陽が、母の幼なじみの真奈美に実の父の話をこっそりと聞いて…。
・10章/包丁いっぽん相身互い
 小料理「はる」の真奈美さんとコウさん夫妻は、この物語の重要な脇役たち。彼らのエピソードをコウさんの語りで。
・11章/忘れものはなんですか 
 そうはいってもやっぱり堀田サチさんの語りも欲しい。しかも本作では、その姿も見られてしまいます。

ふーっ。
けっこうまとめるのは大変です、ネタバレしたくないですしね。
しかし、こうして書き出してみたら、やはりシリーズ未読の方は、1~7を先に読んでほしいなぁ…と、思う次第。
もちろん、この1冊からスタートでも面白いんですが、楽しみの深さが、かなり、かなぁ~り違いますね。

といっても、あるいは、本作から、さかのぼるってのもありか?

そうそう、シリーズ9作目『オール・ユー・ニード・イズ・ラブ 東京バンドワゴン』は、2014年4月25日発売だそうですよ!