七十二候は「鷹乃学習」。この時期に併せて夏野菜解禁!で、胡瓜を食す/旧6/22・庚寅

七十二候は、昨日7月17日から「鷹乃学習」の時期に入っております(~7月22日)

読みは、「たかすなわちわざをならう」。
意味は、鷹の雛が、飛び方や獲物の捕り方を覚え、巣立ちが近づいている頃です…と。

っていうか、鷹なんて動物園でしか見たことないんですが…。
いや、浜離宮のお正月行事で、鷹匠による放鷹術を見たことがありましたね…。

ああ、だからか。

江戸の昔は、御殿様方の鷹狩が盛んであった時代。
当時なら、ごく普通の光景なのかもしれません。
七十二候は、その頃の季節感を想像して楽しむものでもある…ということと割り切りましょうか。

現代に生きる私流の七十二候は「夏野菜熟」とでもしておこう!

読みは、「夏野菜じゅくす」。
そろそろ夏野菜解禁の時期ですよという意味です。
ふふ~ん!

きゅうりをはじめ、どんな野菜も、たいがいはいつでも売られています。
だから、一般的には、胡瓜やトマト、茄子なんかも年中無休で食べてるみたいなんですが、私は夏しかたべません。
(…っていっても、基本的にはってコトで例外はあり←のっけから言い訳めいてます)

カラダを冷やすってのもあるけれど…(小さな声で白状すれば)他の季節は高いってのが大きな理由(笑)。

だから漬物だって、冬場は、白菜漬け。
初夏から、それが胡瓜の漬物に変化して、そして、盛夏の今頃は、生のままでポリポリポリポリ…。

おやつ代わりにまでいただいて、安いから、ちょっと食べ過ぎて、肝心の調理の際はなくなっている。
…なんだか夏になると、自分が河童になったかのようです。

特に胡瓜は旬を無視して年中売られる筆頭!

ですが、食べごろなのは正真正銘の今頃の季節であるというのは、売値が証明しております。
スーパーでは、一本28円とかで売られる日もあるし、八百屋さんでも,その一山がうず高く、なのに200円とか大盤振る舞い!

ということで、買ってきました。

きゅうり

今年のきゅうり、ただいま、底値で一本37円。
これでも、まだ少し高いので2本ばかしなんですが…。

しかし、もうそろそろ安くなりそうな気配濃厚。
そしたら、買い物袋に入って我が家にやってくる頻度はあがり、そのみずみずしさに冷蔵庫にしまうのももどかしく、1~2本残して洗って、そのまま味噌をつけてパリパリとやる。

付け合せのサラダには、必ず胡瓜が顔を出し、冷やし麺の具には爽やかな千切り、お寿司もなんだかカッパ巻きがたべたい。
余裕があれば、トマトやピーマンなんかとガスパチョスープなんかもいいよね。

やっぱり、胡瓜は、夏の暑さにこそぴったりってなもんですね。

胡瓜は、もちろん、暑い国インドの原産。

インドのヒマラヤ山麓あたりが、胡瓜の故郷なんだとか。
それが、シルクロードを渡って中国に入り、遣唐使たちによって平安時代ごろに日本に入ってきたらしい。

シルクロードの行き来が盛んだったころ、「胡」は当時の中国、唐にとっては西方の異民族をさす言葉で、その異民族の商人たちが唐土に持ち込んだものは、みな「胡」の文字をつけ、唐人たちは「胡風趣味」として愛好したんだそうです。

たとえば、楽器の「胡弓」とか。
蝶をモチーフにした踊り「胡蝶」とか。
食べ物は、もっと身近なものが数多く、胡瓜以外に、胡桃、胡椒、胡麻…。

これらは、すべて原産地からシルクロードを経由し、その痕跡「胡」の字を名前につけて日本に渡ってきたものたちばかり。
シルクロードを渡ってきた瓜だから、「胡瓜」ですかぁ。
なんだかステキっ!

毎日パリパリポリポリ食い散らかしている場合じゃない、突然特別なものに思えてきました。

特別といえば、江戸人たちは、胡瓜は必ず斜めの輪切りにしたって話はご存知ですか?

ええっ!なんで?
と思うあなた!

実際、胡瓜をきっちり輪切りにし、じっくり眺めてみましょう。

胡瓜切り口は葵の御紋

ほらっ!その切り口が、何かに似てない?

徳川さんの葵の御紋ですよ。
ちょっと拡大して…。
胡瓜切り口葵の御紋拡大
ほらほら、向かって右側のなんて、水戸のご老公様の印籠の印に似てるでしょ。

つまり、「江戸人ならば、やはり公方様の印はさすがに食べられまい」
と慎んだんだそうです。

いちおう胡瓜を輪切りにしたけど、そうならない?
…という方。

うーん、もう少し熟したモノが出回り始めるころには、胡瓜を切るたび、徳川さんの御紋を目にする日が来ますので、少しお待ちを。

一方、上方地方では、期間限定ですが胡瓜断ちをする地方もあるらしい

スサノオノミコトをご祭神とする八坂神社の神紋「木瓜」がやっぱり輪切りに切った胡瓜の切り口そっくり!
ということで、祭礼の間は胡瓜断ちをする地方もあるんだそうです。

スサノオに徳川将軍家か…やっぱり、胡瓜は、普通の顔してあんがい侮れない素顔を持つ野菜でもあるようです。

が、ふと気がつけば、このブログを描きながら、やっぱり、きゅうりに味噌をつけてボリボリと。

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ふふふ、どんなに偉かろうが、すごかろうが、このおいしさを我慢することはできませんよ。

◆今日は、2014年7月18日/旧暦6月22日/水無月庚寅の日