えー、つい最近、わざわざ我がブログにて有川浩の自衛隊三部作とも言える、『塩の街』『空の中』『海の底』を読了宣言し、稚拙ながらなぜ面白いのかの分析までさせていただきました。
となれば、その後、やはり『図書館戦争』シリーズ再読と食指が動きますが、なんか急カーブするかのように『阪急電車』 (幻冬舎文庫)にたどり着いてしまいました。
というのも、この三部作読了の話をある知人にしたところ
「『阪急電車』にも自衛隊オタクくんが登場しますよね。」
と言われたからでして…。
もち読了済みの私としては、
「えっ?そうだったっけ??」
と、覚えがないのがちょっと…。
書棚から取り出し、どの駅間で乗ったどの子が?
と、拾い読み。
↓
面白かったんだよなぁこの本もとしみじみと思い出す
↓
結局、再読体制へ突入。
で、何故かレビューまでしている次第です。
(あっ、一応、自衛隊オタクくんは、かなりかっこいい大学生として登場しておりました。やっぱ、本は何回も読まないと取りこぼしがあるなと、思った次第。)
読めば、阪急電車今津線に乗ってみたくなるのを止められません
『阪急電車』の舞台は、阪急電車今津線。
有川さん自身が、いちばん最初のページで「阪急電車各線のなかでも全国的知名度が低いであろう今津線を主人公とした物語である」と語っているほど、近くに住まっているヒトでない限りはあまり知られていない沿線です。
(といっても、おそらくこの方のおかげで、今は全国区の知名度なんじゃあないかと思うけどね。)
物語に登場するのは、その短い路線のうち 「宝塚駅」から「西宮北口駅」間のたった8駅。
全部乗り切っても14分しかかからない山間の路線だそう。
うーん、惹かれるねぇ。
というのも、知らない土地が舞台の本なら、地図や路線図と子細に照らし合わせながら読んで、仮想旅行と洒落るのが大好きだからである。
しかも、こうゆう狭いエリアだと、調べながら読むがたやすいのでますます楽しいものなんです。
物語のベースに据えられているのは、いつものように爽やかなBoy meets Girl物語。
あるいは、meets a close friend…親友に出会うというのもあったかな。
電車にいろんなヒトが乗り込んで、また去ってゆくように、彼&彼女らに、さまざまな人間模様が交差する。
そこにはもちろん、ステキなヒトも、嫌なヤツもいて、それらの人々が時々ぶつかったり、和解したり。
時々、あるヒトが何気なく言ったちょっとした言葉に、聞いた方は、大きな生きるヒントを感じたりするという嬉しいこと。
嫌ないざこざには、それを反面教師と見立てる賢い登場人物も現れてなるほど…。
と、読者はいつものように物語の世界を楽しく過ごす。
楽しいながらも、私の場合は、阪急電車が往復する短い路線もその周辺の情報を細かに確認するのにも忙しく。
しかし、地図や路線図で調べられるものは、過不足なく存在していることも、やっぱり楽しい。
これって、作家がこだわるフィクション内のリアリティ?
実際に、この沿線に住んでいるとのことだから、取材もかなり念入りだったんだろうな。
となれば、創作であってもしかたない街の要素にもモデルは存在?
たとえば、主人公のひとりが、結婚式に派手な白いドレスで乗り込んだ女性が、乗り合わせた初老の婦人に「いい駅だから」とススメられて途中下車した小林駅。
彼女が、やがて気にいって引っ越すことになる街は、ツバメの巣を大事に思うスーパーも、小学生が送った七夕飾りを大切に飾る駅なんかがあって、見事にステキな街だった。
あるいは、図書館でお互いに見知っていた、男女が、言葉を交わすきっかけとなる宝塚駅から逆瀬川間にある渓谷が見下ろせる鉄橋。
その渓谷にあった「生」の字のオブジェは、さすがに今はないだろうけど、でも実話?だったらいいなぁ…と思う。
…などなど。
そのモデルとなった場所が、そこには必ずあるのだろうな…と勝手に確信までして楽しくなる。
やがて、ああ、この沿線に乗って、一駅ずつ降りて確認してみたいなぁ…とまで思う。
実際、この本を読んだ年に、シゴトで神戸に行く機会があって、やる気満々(シゴトじゃなくて、今津線にです・笑)。しかし、今だ行けてません。
うーん。
再読かなって、そんなことまでちょっと思い出しています。
言い訳:この「本を読む」コーナーは、私が読んだ本の中から、「面白い!」「役立ちそう!」とココロから思ったモノのみをレビューさせていただこうと思って始めたものです。
しかも、なるべく最近(少なくとも半年以内)に出版されたものをどしどし書いてゆこう!と。
なのに、どーも、昔読んだ手持ちの本になりがちで恐縮です。
実は、他人よりもちょっとだけ本好きが嵩じて、我が家はどこを見ても本だらけ。
それを、少し整理しなくちゃなぁと、処分に着手中…なんですね。
で、つい再読してしまう→やっぱ面白い!→処分する前にブログにレビューしとこう!
…となっております。
すみません、しばしこんな感じが続くかも。
一応、ネット書店にリンクを飛ばしておりますが、出版年度の古い本故、図書館でも借りられたり、Amazonや楽天ブックスでは、かなり安価で売られているというのが救いでしょうか(笑)。
私も処分後に、また読みたくなって(苦笑)、ユーズドブックをよく利用しますが、みんな新品同様でいつもびっくりです!