七十二候「鴻雁来」。ってことでこんな雁はどお?/10/11=旧9/18・乙卯

七十二候は、二十四節気「寒露」の日から、「鴻雁来(こうがんきたる)」に入っております(10月8日から10月12日)。

「鴻雁北(こうがんかえる)」の時期に、「東京じゃあ雁なんか見ないぞ!」と思ったのが昨日のことのようです。
季節の巡りってなんて早い…。

そして、もちろん、暦で雁が北から渡ってくるといっても、我が街周辺にはおりません。

が、似たようなモノが大挙して咲いています。

雁金草1

夏鳥が去って、冬鳥の雁が飛んでくる頃、その鳥から名前をもらった「雁金草」が見ごろです。

「雁金草」の名は、雁の飛ぶ姿から取った名前

…と聞いて&見て、ピンときますか?

雁の飛ぶ姿に似ているからということなんだそうですが、漠然と見た感じはまったくそうは思えません。

雁がピシっと列なして飛ぶ様子というのも違いそう。
花は勝手気ままにあちらこちらに広がって咲きます。

実は、花そのものの造形が似ているということらしいです。

近寄って見てみましょう。

雁金草寄り

グーンと長く飛び出した雄しべ雌しべ=雁の首
対に開いた花びら=羽

と思ってください。

ふーむ。
なんとか風に乗って飛ぶ雁に姿が似ている…かも?

この雁草。
花のブログを持つ方々の中ではかくれた人気で、「カリガネソウ」で検索すれば、多くのサイトがヒットします。
この「ほぼ納得した見方」は、それらに丹念にアクセスを試み、そこにあるいろんな角度で撮った写真と、短いコメントを読み、最大公約数的に割り出したもの。

図鑑には、たいてい名前の由来なんてのは乗ってませんし、残念なことにいつもの雑草・野草の参考書『雑草ノオト』にも取り上げられておりませんし…まあこれで良しとしましょう。

実は、長いこと、カリガネ草=借金草と、思っていました(笑)

しかも、こどものころから、かなり最近までです。
この花の名前が「カリガネソウ」というのを知ってから、ずーっと「カリガネ」の字に、頭の中で勝手に「借金」とあてておりました。

そちらのほうがピンときた子どもってな…。

そして、大人になって、気まぐれに図鑑で調べたら、あらら?「借」じゃなくて「雁」だったのねぇ~!

そもそも、この花の香りがその勘違いに一役かっていたかもしれない。

なんだって、この花に貧乏神みたいな名前つけたんだろうかなどと思いつつ、花をよーく観察しようと近づいてみたらちょっと臭いのですこの花。
ここで優雅な香りのひとつも漂うならば、事情は違ったかもしれません。

なのに、「借金草」は、ときどき花屋の鉢で見かけたりもする。

そんな名前の花を庭に植えるって感覚がわからないなぁ。しかも臭いし
…などと、余計なお世話の小さな疑問。

しかし、実際は、「雁草」あるいは「雁金草」なのでした(笑)。

この花は、「帆掛草(ほかけそう)」という名も持っている。

なんだこっちのほうがいいじゃない!
それも多くの花ブログが主張しております。

私も賛成!

出会いがしらにこの名を教えられれば、「借金草」などという笑える間違いはしなかったはず。
少なくとも、もっと身近な花に感じていたと思います。

とすれば、多くの花ブログにあるように、こどもの手をグーににぎったようなつぼみの可愛らしい様子とか。

雁金草 つぼみ

来る晩秋には、造形が面白い種がなる様子とかいろいろ。

雁金草種
折に触れ、ゆっくり眺めては楽しんできたはずでした。

…が、とすれば、「鴻雁来(こうがんきたる)」の頃に「雁金草」が咲くという話にはならないか。

まあ、雁の渡ってこない街で、七十二候を楽しむのには、その代理として立派に役目を追っていただいているってこと?

…そうゆうことで、良しとしましょう。

◆今日は、2014年10月11日/旧暦9月18日/長月乙卯の日
◆日の出5時44分 日の入17時12分/月の出19時16分 月の入8時22分