「立冬」とともに始まる七十二候は、「山茶始開(つばきはじめてひらく)」(11月7日~11月11日)。
「山茶」は椿(つばき)の漢語。
だから、つばきと読ませるんでしょが、時期的には、山茶花(さざんか)のことでしょうね。
東京では、10月の中旬ぐらいから、ポツポツ花咲かせております。
って、この界隈の自然事象が、七十二候とぴったり合うのも珍しいかもしれません。
寄って見れば…。
ふちがほんのりピンクの可愛い花です。
といっても、まだ白とかピンクの薄い色の花がほとんどです。
山茶花といえば、葉より花が優勢の、遠くから、赤いかたまりが見えて、「何の花かなぁ」と思って近づくと山茶花だったりする。
…というイメージなんで、花の盛りは、まだまだ先な感じなんですけどね。
ああ、この道の街路樹は山茶花だったんだぁ!
…と気づくのも、12月下旬から1月ごろ。
そして、椿の季節が始まる1月下旬頃には、緑の垣根にポツンポツンと赤いドットを打つように咲く。
つまり、山茶花の咲き様をまとめると…。
晩秋→白やピンクの薄いバージョンで、ひっそりと、冬の到来を告げる。
初冬→紅いかたまり状に咲き、街に暖かさを演出
冬本番→ポツポツと控えめに咲き、椿に後を譲る
…って感じでしょうか?
園芸品種的に山茶花を分類すると、10月~12月頃に咲くのが「山茶花」。
1月から2月上旬ごろは、山茶花と椿をかけ合わせた「春山茶花(はるさざんか)」が咲く。
おおざっぱに分けるとこの2種類なんだそうです。
実際、よくよく観察すると、晩秋を彩る淡いろ山茶花も、最後は、白やピンクのかたまりのように咲いて花弁を散らせ、地面を花弁でやさしく染めます。
半分椿の「春山茶花」も、散り方は同じ、椿のように花ごとと落ちずに、花弁散らして、根元を彩る。
山茶花は、ひっそりと冬を告げ、そして、寒さが増せば、盛大に咲いて、あたりをほんのり温めてくれる花なのですねぇ。
ふと見上げると、寒空にピンク?
よく通る道筋にある、こんもりと木々が生える場所。
いつもは、暗めの緑いろの場所に、ある日突然、ピンク色がポツポツと発生!?
近づいてみれば…。
ピンクの山茶花。
そういえば、ここも、寒さ増すたび、ピンク色が濃くなるように盛んに山茶花は咲く場所だった。
…と思い出しました!
よそ様の庭木はもとより野草・雑草に至るまで、開花スポットはけっこう記憶しているというのが、わたくしのささやかな自慢。
なのに、山茶花が咲く場所だけは忘れがちなんですよねぇ…。
たぶん、我が街の冬は、あまりにもあちこちに山茶花が花開くからなんだと思うんですが、時々、地面に散った花弁を見て、ああ、ココにも山茶花がっ!
という体たらく。
そんなに咲いてないですって?
ためしに、数えてごらん!
花の盛んな季節なら、ちょっとの距離で、10本の指じゃあ絶対足りない。
◆今日は、2014年11月9日/旧暦 閏9月17日/長月甲申の日/
◆日の出 6時10分 日の入16時39分/17番目の月・立待月(たちまちづき)の出18時42分 入 8時05分