むかごが、なんで自然薯?
…とか思うヒトも多いかもしれません。
たとえば、山路を行って木の幹を眺め、そこに細長ハート型の葉っぱをつけた蔓が絡まっていたら、その地面には宝物が。
やがて、蔓の途中の葉の付け根に1センチぐらいのイモの子がなっていたら、それもお宝。
いやいや、山路とかでもなくて、福島に住む母の秋の庭にもハートの葉っぱ。
なぜだか、朝顔も咲いてますが、中央のハートは、朝顔のもモノではなくて、山芋らしい。
と目を付けた母。
そのまま駆除せず、こんなに育たせ放題にした。
こんなとこにも育つなら、もしかして、その辺の公園とか林とかにもたまに生えてる可能性も大なのです。
そして、晩秋になれば、蔓をたどったその地中には、自然薯とか山芋とか。
葉の付け根のほうには、イモの子状のモノが育ち。
その付け根になるほうを「むかご」と言ったりするのです。
ああ、むかごごはんが、増々食べたい!
11月は、山芋、自然薯の収穫の季節。
本日、スーパーの棚には、どどーんとでっかい山芋が売られてもいた。
となると、私の場合、無性に食べたくなるのは、山芋…ではなくて、その子で炊いた「むかごごはん」。
今日が、自然薯の日と知れば、ますます食べたくなっております。
(って、別にむかごごはんの日ではないんですけどね。)
といっても、都会にあってのむかごは、かなり希少。
あたまのなかはすっかりその気になって、スイッチが入ったようにあきらめられず、どこへいっても細心の注意を払ってむかごを探すはめになりました。
思い返せば、山方面へゆくヒトあらば、「露店の市場でむかごを見たら買ってきてね」とお願いするのも、そういえば今ごろ。
ある年、八百屋のおじさんに聞いたことすらあるんです。
しかし、「うーん、そんなの捨てちまうんじゃないかなぁ」…と。
悲しいお答え。
えっ!むかごを捨てちゃうの?
その八百屋さんの話によれば、農家で育ったむかごは、芋の収穫がすめば、そのまま畑に捨てられて腐って地面に還ってゆくんだそうです。
ああ、もったいない!
地面に落ちたむかごが育てば、そこから芽がでてゆっくりゆっくり、山芋になるため成長してゆくはずですが、聞けば、野生種であってもその多くは腐っていってしまうとか。
田舎育ちのモノとしては、適当な荒れ地に山芋のハートの葉っぱ、蔓の付け根には無数にむかごがなっていた記憶。
たくさん実って、その中の数個がやっと育つという種なんですねぇ…。
いやいや、だからこそ、少しは捨てずに流通させてほしいなぁと思います。
おっ! むかご発見!
散策中に見つけた、住宅街の中にあってポツンといとなむ一軒の八百屋。
実はこうゆう場所がちょっと怪しいものなのです。
むかごチェックを決行し…予想通りにありました!
すみません!おじさんそのむかごいくらです!
むかごごはんをつくりましょう!
そんなこんなで、毎年も無事に出会いを果たし、さっそく、米を普通に砥いで、少し多めの水加減、むかごと塩と酒をほーんの少し振り入れて炊く。
できましたっ!
我が家はゴマ塩などかけて食します。
小さなむかごの一粒を噛むと、プスッと皮を破った食感が楽しく、中味がトロッ。
さすが山芋の子だけあって、同じようなヌメリとコクとがあってそれが美味しい自然のめぐみ…といったところでしょうか。
他には、ふかしても、揚げても美味しくて、実は生でもシャキシャキと食べられるもの。
地味だけど滋味。
ああ、美味しくてしあわせ、もう一膳いただこうかなぁ。
ところで、母の庭の奇怪な…芋ツリー。
あそこにむかごはなったのかしら?
こんど、ちゃんと聞いとかなくちゃ!
◆今日は、2014年11月16日/旧暦 閏9月24日/長月辛卯の日
◆日の出 6時17分 日の入16時34分/月の出 0時03分 月の入12時55分