クリスマスにかこつけて、日本のカミサマにでも親しもうか。で、『古事記』などをわざわざ紐解いてみる聖夜/12/24=旧11/3・己巳

やってまいりました、クリスマス・イブ。

といっても、私の場合、イブの夜に外出するなんてとんでもなく面倒。

一応クリスマスケーキもどきを食べつつ、本を読む。
部屋の中は温かく、静かで、思いのほか集中してどんどん読み進んだ物語は…。

古事記 岩波文庫

ふふふ、毎年、日本の神話『古事記』だったりします。

クリスマス=キリストさんの誕生日を祝う日に
日本のカミサマの誕生のコトを知るってのも一興じゃない?

って思ったのがそのきっかけ。

しかも近ごろ、カミサマブームなのか、関連書籍も多く出版されて、ますますこの日が充実しきり。

古事記蔵書2014

といっても、古事記関連の書で、どんどん読み進むのが可能なのは、2009年に出版された『超訳 古事記
ぐらいなもんですが…。

この書は、「神代篇」の世界を、神職の資格を持つ宗教学者の鎌田東ニ氏が、記憶のままの「古事記」を語りおろし、それを編集者が書き留めるというカタチで書かれたもの。
それは、まるで、古事記がまとめられた時代、稗田阿礼と太安万侶の組み合わせが現代によみがえったような面白い試みで興味深いし、そもそも古事記の世界の全容を把握するには最適な書です。

入門書にはすごくいいと思う。

2009年の古事記蔵書

で、友人知人にススメ過ぎて、この肝心な日に手元に置いてありません。
(ので、写真は、2009年に撮った、我が「古事記」関連蔵書。いやぁ、この年はまだ少ない。)

街を回遊しながら、神社とか「縁起物」とかを見学するのが好きで…。

どうも、昔から神社や寺社とか祭り、そして、お守りなどの縁起物の類が大好きで、暇に任せて向かうはそうゆう場所。
すると、その神社に祀られているのは「古事記」ワールドの神々が数多く。

で、せっかくだから、学生時代に読んだアレを再度ゆっくり読んでみようか…と思ったのがその最初。

そして、こんなブログを書くようになれば、もっといろいろ知りたくもなる。

あっと言う間に、『古事記』関連書が、我が書棚を席巻はじめたというわけです。
それなら、定期的に手にとり目を通す日をつくらなくちゃあねぇ。

今年読むのはこの2冊。

最新刊の池澤夏樹訳『古事記 』(池澤夏樹=個人編集 日本文学全集01)と、
村瀬学著『徹底検証 古事記』 (飢餓陣営叢書)

2014年に読む古事記

もとい。
実は、『徹底検証 古事記』のほうは、その斬新な内容(古事記は「鉄の神々の物語」であるという仮説をもとに、神代篇を解釈しなおしてゆくといった…)が思いのほか面白く。
昨日読み終わってしまったのでありました。

で、本日は、『徹底検証 古事記』を傍らに置きつつ、池澤訳『古事記』を読むつもり。
いま最初の方をパラパラ読んでみたら、本気で古事記を訳してるみたいで読みやすそう!
(…って、変な言い方かしら? そういえば、作家が翻訳した『古事記』って読んだことなかったかも。
ちなみに、池澤氏の父、作家・福永武彦氏も古事記を訳しております。)

…もしや、すぐに読みおわっちゃう?

『古事記』は、一大スペクタクルファンタジー

と、個人的には思っている私。

たとえば…。

・黄泉の国へ愛するイザナミを迎えに行って、追われる羽目になったイザナギと黄泉の国のモノたちの決死の逃走レース。

・アマテラス大御神って、どうやって生まれたか知ってます?
ちょっとびっくり。

・あの福をまといまくっているような恵比寿さんって、もともとは捨てられちゃったカミサマだったって知ってた?

・ヤマトタケルノミコトの悲劇の冒険談。

…って、コトが書いてあったりするんですよね。

『古事記』は、天武天皇が編纂を命じ、それより三代あとの元明天皇に献上された日本最古の歴史書。
…という位置づけだけど、この奇想天外な話が「歴史書」??

読んでみれば、多くのヒトがそう思うはず。
元明天皇は、読んだうえで、献上に応じたのでしょうかねぇ…とすら思う。

とにかく、『古事記』に描かれたカミサマ方は豪放磊落。
内容だって、歴史書というより、これは、ひとつのスペクタクル物語にしてファンタジー。
そして、登場するカミサマ方は、全然厳かでもないし、時々、尊敬できないかも…なんて描写も大いにあり。

しかし、そんなところがかえってステキ。
…実はね。

となれば、案外聖夜に、想像の翼をうーんと広げつつ読むのにぴったりかも。

おまけ:『古事記』は、日本のガイドブックとしても成り立つ書

とくに西日本を中心とした旅のガイドブックとして読むのも楽しい。
もちろん、それに適した1冊もあります。
三浦 佑之 著古事記を旅する

古事記を旅する

ちなみに、三浦佑之氏は、私がもっとも尊敬する『古事記』の研究者でもあります。

◆今日は、2014年12月24日/旧暦11月3日/霜月己巳の日
◆日の出 6時48分 日の入16時33分/月の出 8時16分 月の入19時07分