七十二候は、「芹乃栄」の時期。そして、今日は、芹も入った七草粥。…って、偶然じゃあないよね?/1/7=旧11/17・癸未

季節の暦七十二候は、「芹乃栄(せりすなわちさかう)」(1月5日~1月9日)。
芹が、盛りを迎える頃という意味ですが、昨日、二十四節気は「小寒」を迎え、1年でもっとも寒さ厳しい時期「寒の内」に突入。
しかし、芹は、もう旬を迎えるってことなんですね。
なんか希望が湧くなぁ。

で、芹は、七草粥の具になる野菜。

今日は、五節句の最初・人日の節句、七草粥の日です。

前日ぐらいからスーパーや八百屋の店先には、春七草がセットで並び、それを買って調理する前に、こうして仔細に眺めてみるのも楽しいものです。

七草

写真は、左から、「すずしろ(大根)」、「芹乃栄(せりすなわちさかう)」の「芹」、「すずな(蕪)」、「なずな(上)」と「ほとけのざ(下)」、そして、「ごぎょう」、「はこべら」。

今日は、こうして澄ました顔して並んでるけど、しょせん日々見慣れた大根とか蕪とかの野菜に、元をたどればその辺に生えてる雑草たち。

ですが、改めて眺めてみれば、やっぱ、この間の厳しい冬場に春の青菜というのも目新しいし、可愛いし
…って感じしませんか?

さて、この人日の節句という年中行事。

ルーツは、古代中国の五行思想。

それによれば、正月七日は、元旦の鶏の日から、戌、猪、羊、牛、馬と数え、人間が作り出された日=人日の日。
だから7日は「人の始まりの日」ではありますが、かえってだからこそ災いも降りかかりやすい
…のだそうです。

それを祓う目的で七草粥を作り食すという考え。

古式ゆかしい七草粥の作法はその趣旨を組んで、これまたけっこう面白いんです。

いつものように『日本年中行事辞典』 (角川小辞典 16)(鈴木棠三 著)を紐解いてみましょう。

まずは、6日の夜。

まな板の上に火箸、すりこ木、卸金、杓子、割薪、菜箸、火吹竹という七つ道具を並べます。

うーむ、みなそれぞれにポータブルなキッチン用品です。
が、これで何をするかといえば、まな板をたたいて音を出す。

向かう方角は、その年の恵方。
2015年の恵方は、庚(かのえ)の方角なんだそうで、微妙に西寄りの西南西。
回数は上手く拍子とって七回。

…かなりまじめにやったみたいですよ、これは、庶民宅はもとより、幕府でも大枠こんな風に行われていた行事なのですから。

「七草なずな、唐土(とうど)の鳥が日本の土地に渡らぬ先に、七草なずな」

と、はやし歌を歌うコトも忘れずに、そうやって、ガンガン音をたてながら七草を包丁で切り刻みます。
この音で徹底的に邪気を祓うのだそうです。

想像するだにうるさそうな行事だなぁ。

とはいえ、青菜もこうして細かくたたいたほうがトロリとした粥に相性もよく。
お正月のご馳走で疲れた胃にも消化がよさそう…ということにしておきましょうか。

ところで、この呪文のようなお囃子文句や七つ道具も、そもそも粥に入れる七つの具すらも、時代や地方によっても微妙に違うようです。
それってどんな違いなんだろう?
もし、ご存知の方いらっしゃったら、お教えいただければと思います。

そして、7日。
七草粥を仕立てて、それをいただく。

ということで、平成の私は、かなーり簡易バージョンの七草粥をいただきまーす。

七草粥

(どう簡易かといえば、七草刻みは、一応、庚(かのえ)の方角をむいて、ハヤシ歌を七回。しかし、粥はレトルトっーことで・笑)

◆今日は、2015年1月7日/旧11月17日/霜月癸未の日
◆日の出 6時51分 日の入16時43分/月の出18時49分 月の入 7時45分