今日は、上弦の月。晴れたら秋空に白い月を眺めよう!/10/2=旧9/9・丙午

今日の月は、膨らみゆく途中の半月、上弦の月です。

上弦の月

一方、満月からかけてゆく途中の半月は下弦の月、双方併せて「弦月」と呼びますが、それはもちろん、輝いている半月のカタチを弓と弦になぞらえたから。
なので、弓張月(ゆみはりづき)などという別称もあります。

…って、晴れてさえいれば、春夏秋冬、毎月淡々と顔を出すそれぞれの月のコトをなんでいまさら?
と思いますが、ゆっくり空を仰いで、月を楽しむのは、やはり秋の楽しみ。

秋も深まる今月は、ちょっと月見にこだわって過ごそうかなと思う次第です。

実際、上弦・下弦を含め、月をとりまく言葉は、俳句の世界では、秋の季語。
昔の人々のこだわり方みたいなものに寄り添って、月を眺めてみるのも楽しいような気がします。

上弦・下弦の呼び名は、どこからきたか?

さて、こんな風に、半月を弓のカタチに見立てた上に、上弦・下弦などと呼称するなら、それはもちろん直線部分の「弦」が天上を向いた状態なのが「上弦の月」で、反対に大地のほうを向いているのが「下弦の月」かなと思ってしまいます。

が、実際観察してみると、それが全然違うんですよねぇ~。

上の写真は、数年前の10月の上弦の月。
ちょうど15時ぐらいに撮影したモノです。

この時間には、上弦といっておきながらも、弦に見立てた直線部分はしっかり下を向いております。

実際弦月の出方はどうかというと…。

・「上弦の月」→東の空から下向きで昇り、南中時に弦の位置が真横になり、西に没するときになって初めて弦が上向きになる。
・「下弦の月」→その真反対。弦を上にして昇り→真横→弦を下にして没する。

うーん、どちらも、没するときしか名前どおりのカタチになりません。

上・下の別は、月が没する時間帯のカタチによってなずけられたもの?

となれば、そう思っちゃいますよね?
その信憑性を、沈みゆく弦月から考えてみましょう。

・「上弦の月」→没するのは深夜。日が暮れた後の月は、確かに西よりの空に上弦の状態でいるはずです。
ふむふむ、「上弦の月」は、没する時のカタチが名前の由来と考えてもいいかもしれませんね。

・「下弦の月」→月の出は深夜、明け方に南中し、お昼ごろにはすっかり沈んでしまう。

あらら、これでは、ゆっくり月愛でてる場合でもない、うーん、あてが外れた感じですね。

下弦・上弦は、上旬の弦月と下旬の弦月と考える?

実は、上下弦月の呼び方は、そのカタチではなく、登場する順番をあらわしているにすぎません。

空を見上げて月の満ち欠けを重要視していたのは、旧暦時代。
ひと月は満月の日を中心に据えて上旬・(中旬)・下旬と考えましたから、満月より先にでる半月は「上弦」、あとが「下弦」が正解みたいです。

なあんだ、単純!

…なんですが、太陽の動きをもとにしたグレゴリオ暦のカレンダーで過ごす私たちにとっては、月の満ち欠けの法則は、よほど注意していないと把握が難しいモノです。

朝に昇って夕方に沈む、その時間変化も1年で緩やかにしか変わらない太陽と違って、月の営みは、少し複雑。
だからこそ、昔の人は、それを風流と思って、詳しく親しみ、楽しく愛でた。
たかが月の満ち欠けのことですが、そこに深みを見つけてひとつの文化に仕立てたわが祖先たちのココロの余裕みたいなもの。

秋の夜長にそんなところを真似してみたいなと思うのです。

ということで、本日の上弦の月。
いつもの国立天文台のサイトで見れば、月の移動時間はこんな感じ…。

・月の出→12時48分→お昼休み。視界を遮るものがない高いところにいれば、東の空の低い位置に見えるかも?
・月南中→18時06分→帰宅時間に、空を見上げてみれば、ビルの屋上とか、高い木立のてっぺんあたりに見つかるかも?

たとえばこんな風にね。
…というのは、ちょっとウソ。これは、もう少し秋が深まった時期の上弦の月。
昇ってから数時間後、日没ちかい夕方に撮った写真です。
今日は、夕方が南中なので、弦の位置が真横&上向きになるはずです。

上弦の月

・月の入→23時26分→夜寝る前に、西の空を眺めてみよう

上弦の月は、現代人のライフスタイルでも、けっこう観察しやすい動きをする月みたいです。
今日、晴れたら、忘れず空を眺めてみましょう!

ついでに、上弦の月は昼→夜、下弦の月は夜→朝と、空に顔を出している時間が半日分ほどずれているのも覚えておきたい一般教養でしょうか。

◆今日は、2014年10月2日/旧暦9月9日/長月丙午の日
◆日の出 5時36分 日の入 17時24分/月の出12時48分 月の入23時26分