しかし、はやいですねぇ。
「立春」=寒さの頂点の意味だからさぁとか寒さをやせ我慢。
で、春風の「東風」を方位計を見ながら心待ちにしてたのは、つい先日の様な…気が。
誰か、勝手に早回ししてませんかね。
とうとう、今日は、立春を第1日目として数えて88日目。
<夏も近づく八十八夜(はちじゅうはちや)~♪♪> になっちゃいましたっ!
八十八夜は、春から夏に移る節目の日のひとつ
そして、これも暦日・雑節のひとつでもあって、二十四節気や七十二候では追いきれない、より細やかな季節の移り変りを示すもの…らしい。
ちなみに雑節の仲間は、「八十八夜」以外には、「節分」「土用」「彼岸」「入梅」「半夏生」「社日」「二百十日」「二百二十日」など。
ふーむ。
「半夏生」「社日」など、街の生活にはなじみなさすぎなものから、暑さ寒さの境目である「彼岸」、梅雨入りの目安「入梅」とか、意外に今でも季節の目安にしているコトバまで、いろいろですね。
ちなみに、八十八夜は、農事の大敵である「霜」に深く関係。
実際七十二候「霜止出苗(しもやみてなえいづる)」(4月25日~29日)に続き、「八十八夜の別れ霜」という言葉もあって、霜の降りる朝とはそろそろホントにホンキでお別れ、霜害も目に見えて減ってゆくのだとか。
ただし、一方「八十八夜の泣き霜」とか、ひどいときには「九十九夜の泣き霜」なんてコトバもあって、自然の営みは実際のところは予測不能。
どちらにも触れるコトバを作って、古人は<自然のチカラに油断は禁物だよ>と教えてくれているのかもしれません。
東京のど真ん中にある茶畑って知ってます?
八十八夜といえば、新茶の季節…と連想、静岡あたりでは、茶摘みの行事なんかもあるんだろうなぁ。
…と、なだらかに広がる茶畑を脳裏に浮かべてみたりしますが、実は、東京のど真ん中にも茶畑があります。
ちょっと小さ目の茶畑ですが、ほらこのとおり。
ここは、皇居東御苑のケヤキの芝生、松の芝生と呼ばれるエリアで、巨大な天守閣の石垣から見渡せるあたり。
かつてここは、江戸城の本丸があったところで、茶畑のすぐ南側は例の「松の廊下」だったそう。
(浅野長矩が吉良義央を切りつけたあの場所です)
で、茶葉の生育具合はどおかなぁ…。
おおっ!さすがに八十八夜が近づけば、若芽もたくさん。
お茶は、この新芽を摘んでつくるんですね。
といっても、手摘みは、ごく一部の上質なお茶用で、あとはハサミ摘みや機械摘みとなるんだそうですが…。
って、この皇居東御苑の茶畑は、そんな気配もなさそうですが。
実は、お茶そのものより、花が好き。
八十八夜に摘み取られるお茶は、昔から不老長寿の縁起物。
というコトで、以前は、けっこうその気になって緑茶いただいていたものですが、日常的には番茶やほうじ茶のほうが好み。
(…まあ、出元は、同じお茶畑なんですが。)
それより、お茶の木を見れば、花の頃が楽しみになる派だったりします。
茶の木は、ツバキ科ツバキ属。
なので、白椿に似た、ちょっと小ぶりの花が咲きます。
ちょっとしなびた写真しかなくて恐縮ですがこんな風。
花の頃は、10月下旬から11月。
なので、茶の木を見つけると、お茶をいただくことよりも、花咲くころが楽しみになる。
実は、皇居外苑に茶畑があるのを知ったのは、今年の3月。
お茶の収穫にはこじんまりし過ぎだけれど、ここに花が咲くなら、そりゃあかなり見事じゃあないの?
…と密かに楽しみにしているのでありました。
茶の木は花が咲くようでは葉っぱのためにならない…とも聞きますが、皇居の茶畑は、花咲かしてくれるのかはてさて。
その結果は、また秋に。
八十八夜のあたりの東京地方は、かなり夏めいてきて、昼間は半袖のほうはふさわしい日々ですね。
そして、今日から私は、いつもの東北の街へ帰省です。
◆今日は、2015年5月2日/旧暦3月14日/弥生戊寅の日
◆日の出 4時49分 日の入18時28分/月の出16時42分 月の入 3時40分