今年は暑すぎる初夏のせいで、花の季節が前倒し傾向。
通常だったら、7月上旬の下町朝顔市を知らせるように咲く「柘榴(ざくろ)の花」はもう満開。
さらには、真夏に咲く花「山保呂師(やまほろし)」などもとっくに見ごろを迎えちゃった。(この花、咲くとしつこく元気なんで今年は長い付き合いになりそう。)
ゆっくり、花追い人を気取りたいヒト(=私)の方は、焦ることしばし。
なので、このブログのネタもいきなり花の話が多くなりがちです。
が、それも、紫陽花の見ごろあたりで、平年どおりに落ち着いたみたい。(←これまで前倒れるとあじさい祭りが寂しいことに。ああ、よかった…)
紫陽花とともに咲く、立葵(たちあおい)。
この花も、いつもと同じ時期に見ごろを迎えているみたいです。
パッと目覚めたみたいに、きれいですねぇ。
紫陽花とともに、この花もぼってり系。
ひと花あれば、部屋に飾っても十分すぎるぐらいの存在感。
そーいえば、初夏には、庭園に牡丹が咲いて、それを引き継ぐように花屋の店先でも、しばし芍薬が安く売られていたような…。
このまま盛夏にひまわりも咲くんだろうし、この時期は、こうゆう花が、盛んに咲く時期でもあるのかな?
夏以外の他のシーズンは、こんな大振りな花って、そうそう咲いてないものね。
ヒト(=私ですよ)が嫌う強い日差しがなければ、こんな栄養が豊富そうな花は咲かないという…道理かな?
しかし…。
立葵の花って、なんか不思議な植えられ方してるって思わない?
ここ数年観察してきたところによりますと。
1.道路と歩道の境に植えられている。
⇒通常、公共的な植栽以外は、民家の壁際とかに植えるケースが普通じゃない?
2.野生?と見せかけ、どうもそれぞれに所有者がいるみたい。
⇒1.の疑問の仮説として、もしやそうは見えないけど公共の植栽?あるいは雑草?と考えようとしたんですが、早朝、通りがかったら、如雨露で水をやっている所有者らしき人に各所で遭遇いたしまして…。
ある場所などは、「花泥棒も泥棒です」の立札付きで咲いていたのを発見してしまいました。
…というコトで、東京では、ガードレールに沿って結構な本数が植えられているケースが多い。
たとえば、こんな風にね。
これは、千駄木駅から三崎坂にかかる途中の道路沿いに毎年今ごろに咲く立葵。
こっちは、そうとうに長々と立葵が続き…。
私は、ひそかに立葵ロードと呼んでいる。
いや、ホントは、浅草のお富士さん(浅間神社)の手前を東西に延びる一葉桜・小松橋通りの光景なんですけどね。
この花は、背高な茎につぼみを大量につけ、これから盛夏まで花の頃は続くはず。
なので、お近くを通られた際はぜひご覧になってください。
ちなみに、見たいけど、今年は無理と言うならば、来年でも再来年でも可能かと。
立葵は、宿根性の多年草にして相当に丈夫な種。
おそらく、来年のこの時期でも同じ様子が見られることでしょう。
昭和に子ども時代を過ごした者としては、立葵といえば団地…なんだよなぁ。
ってコトで、この花が咲き始めると、不思議と思い出すのが、東北の一角で過ごした子どもの頃。
友人が住んでいた団地には、平屋の長屋タイプであっても、3~4階の集合住宅スタイルも、どうゆうわけか壁面に沿ってずらりと立葵の列があった記憶。
灰色を背景に、赤やピンクの花がいっそう華やかに見えた。
…というのが、立葵の個人的な原風景。
だから、東京でこの風景を見たら、もう懐かしくっていとおしかった。
阿佐ヶ谷住宅44号。
これは、2008年に撮った写真で、当時から、再開発の話があったので、もうココもないんだろうなぁ…。
2010年を最後に行ってないのでどうなってるかわからないけど、「前川國男建築設計事務所」による洒落たテラスハウスがいい感じでした。
だけど、その壁にも立葵が咲くんですよ。
なんか昭和な感じでいいなぁ…と。
ってコトで、立葵が咲いたら、このブログには、自動的にこの写真をしつこく貼り付けてゆこうかなぁ…と思った次第。
立葵の花は、「梅雨葵(つゆあおい)」の別名を持つけど、どちらかといえば盛夏のイメージ
立葵咲く、故郷の団地には、友人たちが住んでいて、夏の夕立に濡れながら、大騒ぎした思い出。
シャワーだ!シャワーだ!
と、水遊びさながらに喜びまくる、バカな子供たちを、立葵はずーっと見守っていてくれてたような。
そんな記憶があるからなんでしょうね。
それが、夏休みの後半は、ひまわりシフト。
立葵の花は、その後に咲くひまわりとともに、ばかばかしくも愛おしい、自由な子ども時代の記憶を読んでくれる大切な花でもあるんですよね。
◆今日は、2015年6月9日/旧暦4月28日/卯月丙辰の日
◆日の出4時25分 日の入18時56分/月の出23時55分 月の入10時59分