日本が、外に向かって少しずつ国を開き始めたとば口にやってきて、異国の目でニッポンの「普通」を愛情込めて掬い取り描いた英国人ラフカディオ・ハーン。
…ギリシャ出身だけどね。
やがて、日本への深い興味関心をひとつ、またひとつと探究するうち、日本人・小泉八雲になったヒト。
今日は、その小泉八雲=ラフカディオ・ハーンの誕生日です。
大好きな作家に関しては、重要なのは逝った日ではなくて、誕生日。
で、その記念すべき日には、そのヒトの作品の中から1作選んで持ち歩き、好きなページを拾い読みする。
(といっても、好きな作家全部だと、けっこうな数になってしまうので、20歳になる前から好きで、原則鬼籍に入った方限定なんですが。例外あり)
という、個人的なこだわりに則って、今日は一冊持ち歩き、暇を見つけては拾い読みする一日である。
さて、何にしようかなぁ。
…とか言っても、よくよく確認してみれば、我が書棚には、実は『怪談』 (ポプラポケット文庫 (372-1))
の他にはあと一冊。
これしかないんですよね(笑)。
『怪談』を含め、彼の多くの著作は、日本を知らない異国へ向けて「日本」を描いたもの。
だから、当時の日本人には当たり前でも、現代人には同じく異国の話のようなコトがかえってなじみよく描かれている。
特にこの『新編 日本の面影』は、ハーンが、初めて横浜港に降り立った日の印象を描いた「東洋の第一日目」から始まって、描かれるニッポンは、松江に英語教師として赴任するため西へ西へ。
そのほとんどが、教師として生活した出雲のあたりの話。
で、東北育ちの東京あたりをちょろちょろ回遊するぐらいの身である私も行ったことなく(ああ、出雲は行ってみたいなぁ)、新鮮なことだらけ。
さながら、私もハーンが読み手として想定したであろう、異国のヒトみたいな気分で読み進むことになる。
…ってところが、ラフカディオ・ハーン=小泉八雲作品の俄然面白いところなんですよね。
ってコトで、この本は付箋がいっぱいたって、そのまま書棚へ。
その付箋を、まずは新しいものに取り替えて。
ほぼそのページ前後を拾い読みしつつ過ごすことになる…かな。
ラフカディオ・ハーンは、1850年6月27日生まれ。
だから今日は、165回目の誕生日。
1890年春に横浜港に着いたその日から、愛あるまなざしで日本を眺め、住んで、日本を愛してくれてありがとう。
そして、お誕生日おめでとうございます。
ちなみに、日本に帰化して「小泉八雲」となったのは、1896年の2月だから、もういっかい誕生日を祝ってもいいのかな?
そしたら、今度はどの本を読んですごそうか?
実は、『怪談』とこの『新編 日本の面影』』は、暗記するぐらい読んだくせに、実は、ほかの著作は、ほどんど知らない私。
もっと読めば、また新しい日本の魅力を知ることにもなるんでしょうが、それほどに、その一冊一冊の密度が濃くて、なんども読みたくなって満足してしまう
…みたいな不思議な魅力があるんだなぁ。
◆今日は、2015年6月27日/旧暦5月12日/皐月甲戌の日
◆日の出4時27分 日の入19時01分/月の出14時12分 月の入0時45分
↓あらら?装丁がずいぶん変わってるみたいです。しかも、続編とか、NHKの番組もあるみたいです。
↓2015年7月1日水曜日 午後10:00~10:25からEテレにて放送開始。