今や読書好きしか気にしない「読書週間」かも…とぼんやり思っていたら、その初日の今日は「活字の日」だって!こっちは知らなかったよ。/10/27=旧9/15・丙子

10月27日から読書週間スタートだな…。
と、漠然と記憶してましたが、活字の日は知らなかった!

正確に復唱しておくと、10月27日は「文字・活字文化の日」。

<活字離れに歯止めをかけ、文字・活字文化についての関心と理解を深める>って目的のために、2005年に制定されたんだとか。

まだ若い記念日だってのが知らなかった理由かな?

そして、なんか個人的には、この目的もふるってないっていうか、普通っていうか…と思ってしまう。
平たく言うと、「本をもっと読もうよ!」ってことなのかな?

だけど、そう言ってるだけで、別に何か「本」とりまく、楽しいコトが繰り広がる日でもなさそうな…。

とりあえず、個人的に「文字・活字文化の日」を祝って、
世の中でいちばん好きな本を紐解こう!

2015年5月にあちらの世界へ逝ってしまった、詩人・長田弘さんの『食卓一期一会』。

食卓一期一会

冒頭から最後まで、ずーっと、食べ物と料理の詩が続くこの一冊は、書店で立ち読みして感動
⇒発作的に、そのままそこに積まれていた一山をお買い上げ。
…といっても10冊なかったと思うけど。

そして、コレはっ!という友人にプレゼントした。

その後も古書店で見つけては、
「この本を古書店に売っぱらうってどうゆう了見?」
…と思いつつ買い。
一時期、誕生祝い、結婚祝い、出産祝いなどなど、私の祝いの品は、もっぱらこの本だった時期もあり(笑)。

ふだん、本なんて読みたい奴だけ読めばいいと思っている派だから、相手が本好きでなければ、誰かに本を薦めるというコトもない。
(こんなブログに時々読書日記風に記録するってはどうゆ了見?とは思うけど・笑)

だけどこの本だけは違ってたね。
もう、押し付ける。

えっ?どんな内容かって?
もう好きすぎて、それを語るのは至難なの。

代わりに、主だったタイトルをここに記しておくので想像してください。

ってコトで、我が蔵書を開いたら、活字の「あ」が挟まっておりましたっ!

活字のブックマーカー

これは、活字ブックマーカーという文房具ですが、そうそう、この本に合うなと買って挟んでおいたんでした。
ホントに「あっ!」と叫んじゃったよ(笑)。

さてさて、そのタイトルは…。

「言葉のダシのとりかた」
「包丁のつかいかた」
「おいしい魚の選びかた」
「アイスバインのつくりかた」

…って、あれれ?料理研究家の本??…ではないですもちろん。
詩人による、れっきとした詩。

「天丼の食べかた」
「朝食にオムレツを」
「ドーナッツの秘密」
「アレクシス・ゾルバのスープ」

…って、グルメ本か?

いやいや、詩人による、人生を詠った、「詩」です。

詩人長田弘が、生きて考え、楽しんだあれこれがギュッと凝縮されているような一冊。
読者は、そこから濃厚な旨みをいただき、経験したことのない食感を知る。

そんなことをイメージしていただければいいかなと。

読書の楽しさは千差万別

「文字・活字文化の日」とか「読書週間」の制定の裏には、「人々の読書離れ」への懸念とか不安。
そんなネガティブな思考が見え隠れしてならないけれど…。

わざわざ、こんな記念日&週間を制定したんであるならば、詩人・長田弘さんの『食卓一期一会』が、人々に投げかけたようなことをやってみたらいいのになぁ…と思ったりする。

本や読書は、本来、ヒトを呼び集め、ヒトを楽しませるもの。
アイデアだって満載で、日々の新しい楽しみ方も暮らし方もぜんぶ本が気づかせてくれる。

たとえば、BOOKカフェみたいな形態の店の人気ぶりなんてどお?

だれも、本からも活字(=文字)からも、離れてないとおもうけど?

JR有楽町駅前にある「無印良品」なんて、いまや、本屋の中に無印良品がおいてあるってテイストだったりするもんね。(⇒2019年に銀座に無印良品が移転したら、その感じはなくなって少し残念。ああ有楽町店はよかったなぁ。)
…って感じで、改めて、『食卓一期一会』を紐解いて、活字と本のチカラみたいなものをつらつらと思う1日です。

◆今日は、2015年10月27日/旧暦9月15日/長月丙子の日
◆日の出5時57分 日の入16時52分/月の出16時54分 月の入5時11分

↓初版は、1987年。ネット書店でも品切れになってない、いつでも買えるロングセラーです。