インドの軍神にして、仏教の守り神・摩利支天。その従者は亥(いのしし)なので、11月の最初の亥の日は、特別な「ゐのこ祭」。なんだかわかってないけどいいんです。/11/7=旧9/26・丁亥

お召し物が、昭和初期のご婦人の夏服アッパッパ。
あなたは、子ども時代に通った、駄菓子屋の…

ああ、おばちゃんっ!

説教されながらラムネ飲んだっけなぁ。
ときどき喧嘩の仲裁に入ったり、不振人物は追い払ってくれたりもしたよね。
あの時はありがとう!
おばちゃん!

…とか、最初このお姿を見たときは、子どもの頃の記憶がよみがえり、なんだか無性に懐かしかった。
(写真をクリックすると大きくなります)
摩利支天 拡大

しかぁ~しっ!
実は、この方、摩利支天さんといって、御徒町にある日蓮宗のお寺、徳大寺のご本尊。

しかも、もともとは、陽光を神格化したインドの民間信仰のカミサマで、戦いに強い軍神とされる方でして…。
のちに仏教の守護神となり、仏教の寺で信仰されるようになったのでございます。

ってコトで、上野の東京博物館所蔵の摩利支天さんは、ご立派な感じ…。

トーハクの

うーん。
やっぱよく見ると、馴染みあるおばちゃんにしかみえない。

うっ、私って、かなりばちあたりかしら?
(でも、このお姿を見るたびに、どーしても、懐かしきおばちゃんを思ってしまうんだよなぁ…すみませんっ)

毎月亥の日は、摩利支天さんのご縁日

摩利支天さんには、十二支の亥が仕え、それが由来で亥の日が縁日となる。

これもねぇ。
仕えるっていうか、イノシシが摩利支天さんの乗り物みたいになってますが?
これで、天地を縦横無尽に飛び回ったりするんだろうか?

いや、調べても詳しいことはいまだわからずなんですが、なんか宇宙系SFなんかのヒーローなんかもやれますよねぇ。
うっ、これもNG発言かな?
まあ、ホンキでお強いカミサマだから、こんな下々のコトなんか屁ともおもわないことだろが…。

それはさておき。

11月の初亥の日は、少し特別。
「ゐのこ祭」の法要が執り行われます。

「ゐのこ」って、つまり亥(い)の子なんでしょうか?

実は、これも詳しいことが調べきれてないんですが、本日、徳大寺にお参りすれば、本堂では、終日つづく勢いの勇壮な御祈祷があるって事だけは知っております。

朱塗り お堂

それを、まじかで拝見することができます。

本堂に入るとすぐにコンクリートのたたきがあって、そこには一般の参拝者が大勢、私も、その片隅にお邪魔し、首を垂れて、唱えられるお経を聞いて…。
いつしか、ふつふつと高揚感みたいな不思議な感覚に包まれたり。

特に、カワイイ縁起物が授与いただけるわけでもないし、いつもと違う飾り付けがなされるわけでもない。

いっけん、この日のため?と思える提灯や幟も…。

徳大寺 提灯

年がら年じゅうこんな感じ。
(JR山の手&京浜東北線の車窓から見えますよ!御徒町駅付近にきたら注意してみてください)

しかし、なんだか、この日はお参りにいかなくちゃ!
と思ってしまうのは、あの御祈祷パワーに触れたくなるからってことなんだろな。

摩利支天さんの御利益は「ご利益の王道」

それと、ご利益の大盤振る舞いを、ひそかに狙っている風もあり(私がね)。

摩利支天さんのご利益は、「厄除け」、「開運」、「招福」と、王道なのが3つも!

強そうな摩利支天さんにこれらを授けていただいたとなれば、さらに鬼に金棒な感がありまくりじゃあないですか?

11月に入ったら、酉の日(酉の市)とともに、亥の日も必ずチェックしたい一日

チェック1は、もちろん初亥である本日の「ゐのこ祭」。

あとは、旧暦10月の亥の日は、江戸時代なら、こたつを出したり、亥の子餅をいただいたり、ちょっと知る人ぞ知る暮らし直結型の行事あり、なんです。

ってコトで、その件はまた追って。
ちなみに次の亥の日は、11月19日(旧暦10月の亥の日)となりますので、こうご期待っ!

◆今日は、2015年11月7日/旧暦9月26日/長月丁亥の日
◆日の出6時08分 日の入16時41分/月の出1時48分 月の入14時21分