江戸人の教えによれば「立冬」から約8日、遅くとも15~6日には楓の紅葉が見ごろだそう…。しかし、平成の東京は、今ごろやっと色づきはじめ。/11/26=旧10/15・丙午・満月

「立冬」から数えて、今日は、19日。
そろそろ、楓(かえで)も色づいてはどうでしょう?

…と、さすがに気になってまいりました。

というのも、江戸人の感覚でいえば、楓の見ごろは「立冬」より数えて7・8日目より始まって、遅くとも15・16日頃には盛りを迎えていたらしい。
…と、このブログを書くにあたってかなり頻繁に参考にさせていただいている『東都歳時記 3 』(東洋文庫 221齋藤月岑)にも、そのように記載がありました。

特に、その7・8日目に見ごろとなる場所が、東叡山(現在の上野公園)、谷中天王寺、瀧の川(王子を流れる石神井川)、根津権現境内…と冒頭に我がご近所が麗々しく羅列されます。

が…色づいてたっけ?
瀧の川を除いて、けっこう頻繁に足を延ばしておりましたが、少なくとも11月中旬(「立冬」から数えて7・8日目の頃)には、まだ青々としていたような…。

ってコトで…。

楓の色づき観測に出向いてみました。

・東叡山(現在の上野公園)は、<清水堂の脇車坂上>と、場所指定されていまして…。
<脇車坂>がどれかわからないんですが、とりあえず、<坂上>には楓の木。

清水堂の紅葉

ふーむ。やっと赤く染まりはじめって感じですね。
図らずも、奥のグリーンと併せ、クリスマスカラーになっていて、ある意味今の季節に合っている(笑)。

はらりと落ちてきた紅葉もまだこんな。

落ち葉

やっぱり、ずーっと温かかったからねぇ。

・谷中天王寺は、谷中霊園に隣接している大きなお寺。
たしかにその山門横には大きな楓の木があって…。

天王寺の紅葉

やっぱり、色づき始めたばかりですかね。

境内の大仏様の横の品種違いの楓も同様で…。

天王寺楓

全部きれいに色づくのは、あと数日かかりそうです。

そうそう、この天王寺の際からJR日暮里駅に抜ける坂の名前が紅葉坂といって…。

そこには、永久に紅葉しない楓があります。
紅葉のレリーフ
ふふふっ。
誰かがコンクリートに彫ったみたい。
もしも、天王寺および谷中霊園にお出かけになるならちょっと探してみてください。

根津権現境内というのは、もちろん根津神社ですが…。

根津神社の紅葉
拝殿の際にある紅葉も、やっと今ごろな感じ。

ですが、池の方に回ると…。

池の紅葉

ふむふむ。
とりあえず、色づき始めた見たいですね。

気が早く落ち葉になった楓もあって…。
鯉と紅葉
鯉にもてあそばれておりました(笑)。

…っうか、今年はかなり遅いよ。
今年は、いつにもまして、寒くなるのが遅かったもんね。
しかも、落下するみたいな勢いで急な低気温来襲!

広葉樹の葉っぱ、色づきの条件は、けっこう明確

とりあえず、以下の2点が満たされないと、基本葉っぱは色づかないらしい。

1.日中の陽射しの量が少なくなる。
2.朝晩の気温が少なくとも10度を下る。

ちなみに、今年の東京は、なかなか最低気温が10度を切らず、低くても10度ぎりぎりの水平飛行、10度を超える日もけっこうあった。

最低気温8度になったのは、やっと一昨日の24日。
いやぁ、急に寒くなって、ヒトもびっくりいたしました。

これじゃあ、楓だって安心して紅葉できなかったよねぇ。

だから、桜の葉も紅葉するかしないかで散っちゃったし、銀杏もなんだかまだらな感じなんだよな…。
っていうか、色ずく前に枯れている?

東京の街路が色づくころは、山々の木々の紅葉シーズンは終わり。
…ってコトで、今年も、都会でひそかに紅葉狩りを楽しむことになりそうです。
(↑実は、毎年今頃、来年こそは、山々の色付きを眺めに行くぞと決意して⇒忘却⇒楓色ずく今ごろになって思い出す)

◆今日は、2015年11月26日/旧暦10月15日/神無月丙午の日/満月
◆日の出6時27分 日の入16時29分/月の出17時05分 月の入6時14分