七十二候は「葭始生(あしはじめてしょうず)」。川辺に育つ「葭」が芽生える頃ってコトで、街でも水辺観察いたしました。/4/21=旧3/15・癸酉

季節の暦・七十二候は、二十四節気「穀雨」とともに、「葭始生」に入りました(4月20日~24日)。
「葭」は「葦」とも書く水辺に育つ植物のコトで「アシ」(とか「ヨシ」)と読む。
それが「始生」で、「あしはじめてしょうず」

水辺もいよいよ春がやってきたというコトですね。

「アシ(ヨシ)」は、川の下流域の水辺や、干潟など湿った土地に広い葭原をつくる植物で、野趣あふれたススキ…といった佇まい。
実際、アシとススキってかなり似ているんですよね。

今でこそ護岸工事で、川はあるけど水辺はない東京ですが、かつてその豊富な川辺に近しい暮らしをしていた江戸人には慕わしい植物だったはず。
ちなみに、それらを刈り取って乾燥させて日よけに使う、ヨシズは、その名の通りこのアシ(ヨシ)が原料です。

リアル川辺は近くにないので、近場の水辺観察を!

昨年、ホントのアシ(ヨシ)の芽吹きを観察したいなぁ…と思い立ち、近所の荒川土手を延々上流まで登ってみたのですが、そこで重々理解したのが、東京には川辺がないっ!
ほぼ護岸工事によって固められ、結局、土手雑草ハンティングを楽しんで帰宅…という結果に。

というコトで、今年は馴染みの庭園&公園にて水辺観察と洒落こみます。

皇居の庭の水辺といえば、二の丸庭園の池

春には桜が咲き⇒つつじ⇒菖蒲と美しさ満載の場所ですが、そういえば池の様子ってゆっくり見たことなかったかも?

浅沙 (あさざ)の葉っぱの間から新しい芽生えが…
あさざの芽吹き

もう少したつと、こんな風に可愛く黄色いつぼみが伸びてくるはずです。
蓮みたいな

菖蒲のほうはというと…。
菖蒲
まだ土むき出し状態で準備中。
これから、ここに水が引かれ、クールな紫や青で、このあたりを彩るまでもうすぐです。

都内で珍しい田んぼがある小石川後楽園はどうかな?

都内で田んぼを見たくなったらやっぱりここ。
菖蒲園の一角にちゃんとたんぼがあるんですよねぇ。
おっ!なにやらピンク色の花が?
後楽園の田んぼ

レンゲかぁ~!!
れんげ

このレンゲはこのあと土にすきこんで肥料にする…んじゃなかったかな?

これも連休直前には、鋤いて水を引き田植えの準備に入るはずです。

田んぼ

こんな風にね。

そして、今日観察したいのは、神田上水跡。

神田上水跡

こんな小さな流れならば、なにかアシ(ヨシ)風の植物が芽生えるのでは?
…と少し期待してみましたところ。

アシ?

おおっ!なんかそれっぽいものが芽生え⇒育っているみたいだよっ!

ふーむ。これは、この庭園にもマメに通わなくちゃなぁ…。

最後は、近所の不忍の池へ

って言っても、桜が散ったばかりの今ごろは、見るべきものはなく。

不忍池水面」

毎年いまごろ蓮の芽生えはあるんですが、こんな感じで一瞬ごみ?
…いや、そんなヒトの思惑なんてどうでもいいんでしょうけどね。

不忍池が蓮の芽生えて美しく彩られるのは、あと一ヶ月ほどあとですので、またその時に。

◆今日は、2016年4月21日/旧暦3月15日/弥生癸酉の日
◆日の出5時01分 日の入18時19分/月の出17時27分 月の入4時32分