今日は、冬と春の節目「節分」です。全国津々浦々では、同じ時刻に節分祭が一斉開催。どれだけの鬼が、豆で追われてゆくんだろう?/2/3=旧12/25・乙卯

年が明けたばっかしと油断していたところ、もう今日は節分です。

早いっ!早すぎです!!
ぼやぼやしてたらあっという間にまた年の瀬⇒新年とか?
…って、笑ってますよ鬼が。

今日は、多くの神社仏閣にて、節分祭。

そこでは、「鬼」がある意味大活躍でもありますね。

ある年、節分祭は、神社にとっていろいろで、それこそ神社の数だけスタイルが違う…と気がついて、それから毎年、違う節分祭へコツコツ通うことにいたしました。

といっても、そう思いたったのが数年前なもんで、まだまだ少ししか見ておりません。
このブログでも昨年の記事は、ご近所の諏方神社の節分祭のコト。
あとは、ほんの少しの神社の節分祭、あるいは追儺式しか知りませんが、今年は、そこに弾みをつける意味でも、目指すは江戸の総鎮守神田明神!です。

今年の私の福豆は、神田明神のモノですしね。

節分祭の神田明神の境内中央には、でーんと大きな鬼の首。

実は、コレを見に行くってだけでも、節分祭に神田明神に出向く甲斐あるかもと思う存在感です。

大江山凱陣

これは、神田祭の曳き物(山車)のひとつ「大江山凱陣(おおえやまがいじん)」。
かつて、天下祭の名物とされ、江戸っ子の人気を博したもので、「江戸名所図会」など、過去の資料に戻って、平成19年に復刻。
以降、神田祭の時には、行列にまざって都内を回り、今日の節分祭には、シンボルとして飾られるんだとか。

酒呑童子(しゅてんどうじ)という鬼の首を象ったとされるそれは、あまりに大きく、そして強面。
実際、それを見て小さな子どもが泣いております。
大人のほうは、うわー凄い!とか、喜んでぱちぱちと写真撮影なんぞして、そうこうするうち、広い境内は、節分祭に詣でた人々で大混雑です。

赤鬼・青鬼、続くだいこく&えびす様を先頭に、なにやら雅な行列が…

神田明神の「節分祭」は、鳶頭による木遣りの声と楽人が奏でる雅楽に併せ、鬼⇒だいこく神&えびす神⇒古式装束の神職となかなか目に楽しい行列の入場でスタートします。
その後には、氏子ほか、アキバ系の方(もしかしてAKB?)とか、近隣スポンサー企業のPR色を纏った系とか、いろいろな方々が連なりユニーク。

ただし、境内の混雑具合は、ますます激化。見物するにもけっこう根性がいるのは確かです。
(実際、この行列の写真は人混みに邪魔され、ぜーんぜん撮れませんでした・涙)

行列が拝殿に納まり⇒神事⇒鳴弦の儀(めいげんのぎ)により、弓を天と地に向けて弾き邪気を払い…。
鳴弦の儀
以上で、神田明神の鬼やらいの儀式は終了。
このあとお待ちかねの豆まきです。

実は、私が、各神社の節分祭に興味を持った理由というのは、豆まきの前に執り行われる、この鬼やらいの儀式。
それが、祀られるカミサマの謂れによってそうとうなバリエーションをもつらしいというコト。

なので、ここまでちゃんと目にできて目的は達成です。

あとは、鬼探しを少々

ってそれはなに?
いや、各神社寺社によって登場する鬼のコスプレ具合(うっ!失礼かな?)も千差万別なんで、先ほど、ヒトの頭越しに通って行った鬼をよーく観察してみたい。
…ってコトです。

あれかな?
あっ、いました赤鬼です。
神田明神

青鬼も陰でなにやらほくそ笑んでいるふう?
青鬼

神田明神さんの鬼は、なぜか、豆をまく人びとと一緒に高い場所にいらっしゃり、もしや、豆で追われることはないのかな?
しかし、この鬼の面…素晴らしいです!
私は、これさえ見られればもう満足。季節の節目に降りかかる厄災だってきれいさっぱり祓われた気がします。

神田明神に来たら、湯島天神は目と鼻の先なんで…。

しかも、神田明神の祭事スタートが午後2時、湯島天神は3時。
多くの節分祭は同日同時刻に一斉に行われちゃうんで、こんなチャンスはまれってコトで、もちろん向かいます。
もちろん、私以外にも、この節分祭のプチハシゴしている方多くかったみたいです。

湯島天神の節分祭の神事は、拝殿内で行われ、一般人が参加できるのは豆まきのみ。
ですが、鬼観察にはそれで充分。

とりあえず、裃姿の年女に、いさめられる格好の鬼たちです。
湯島天神の鬼たち

こちらの鬼の面。
なんとものどかで怖さゼロ(笑)。
あっという間に豆で追われ、うーんもう少しゆっくりみたかったんですが…。

さあさ、今年も、鬼たちが豆で追われつつ、ヒトにかかる厄災までもどこかへポーンと持って行ってくれました。

ちなみに、節分祭の鬼の面やしぐさ、作法が、神社寺社ともに、非常に大切に受け継いできたのは明らかで、その意味を思います。
つまり、鬼=厄災ではなくて、禍々しいもの各種を、どこかに持ってってくれるって役割=鬼のシゴト…と考えているからじゃないかなと。
となれば、鬼はありがたい存在以外のなにものでもないですからね。

いや、個人的には、節分祭の鬼の様子を見るたびに、不思議と私の中の詰まった部分が抜けてゆくような気がするのは確かです。

さあ、明日は立春。
今晩は、新年を迎えるのと似た清々しさでもって、眠りにつくことになりそうです。

◆今日は、2016年2月3日/旧暦12月25日/師走乙卯の日
◆日の出6時40分 日の入17時10分/月の出1時37分 月の入12時19分