ぎりぎりで梅雨が明け、いよいよやってきました大暑の日/旧6/27・乙未

今日は二十四節気の「大暑」の日です。

いつもの『暦便覧』には「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と記されていて、暑さは最高潮に至ってゆくので「大暑」なのだといっています。

といっても、今年はエルニーニョ現象の影響とかで、梅雨前線は、日本列島に長々と停滞。
蒸し暑いといっても夜はやや過ごしやすい日々で助かりました。

が、さすが大暑の日を目前に、梅雨前線も観念したか、関東甲信越地方も、昨日7月22日11時に梅雨が明けた模様です。

太陽が出れば、強すぎる日差し…ああ。
実は、夏の暑さにめっぽう弱い北国育ちにとって、梅雨が明けても全然うれしくない…最近の暑すぎる夏。

しかし、こうゆうのは、好きなんですねぇ。

201007ヒカリのレース

強い日差しでなければ、現れない、地面に、木漏れ陽が作った、美しいレース模様。

…とか、無理やりでも良いことを探さない限り、やはり耐え難い暑さです。

地面のレース模様

おっ!これは、本気でレース模様っぽい。

「大暑」は、学校の夏休みスタート地点。

そもそも、日本の夏休みの位置づけは、暑くて授業にならないから学校を休みにするってことだったかと。
だから、「大暑」の日は、必ず夏休み中にやってくる?
…関係ないかな?

とにかく、これから、暑さはどんどん勢いを増し、最低8月いっぱいは、「極暑(ごくしょ)」「酷暑」「炎暑」「炎天」「油照り」「溽暑(じょくしょ)」「蒸暑(じょうしょ)」の日が続くんでしょうかね。

と、暑いことばをわざわざ並べてみました。
しっかり眺めて、きたる暑さに備えましょうか。
…っていうか、日本語ってずいぶん暑さを語る言葉が多いものです。

ということで暑さ漢字の解説を少々

「極暑(ごくしょ)」は、極めて暑いこと。暑さの盛り、頂点。近頃は、その頂点が毎年毎年更新されているような気がしますね。
さらに上ゆく新しい暑さ熟語が生まれそうな勢いです。

「酷暑」「炎暑」は、同じような意味ですが、「絶えるのが酷(むご)いぐらい」の暑さに、炎を出して「燃えるような」暑さと、使う字によって感じる印象は違います。

「炎天」は、夏の暑い日の激しい日照り。

「油照り」は空が曇って風がなく蒸し暑いことなんですって!油のイメージから、太陽がじりじり照りつける様子とかってに思っていましたが大いなる勘違いでした。

「溽暑(じょくしょ)」「蒸暑(じょうしょ)」も蒸し暑いこと。
そういえば、空には、夏雲・入道雲も見られるようになって、例年ならば、その雲が時々スコールのような大雨を運んできます。
それらが夕刻近くに降る夕立ならばいいけれど、近頃の天気は気まぐれで、昼前に大雨が降り、その後太陽が燦燦と照りつけるなんて日も多数。
あたりは蒸し暑さがどんどん増して、下手なサウナよりそれらしい。
…そんな日のことですか。

気象用語の暑さ表現もまとめてみましょう

こんな「暑い文字」をじっと眺めているとスチーマーの中で蒸料理にされている気分になってきました。
それでなくとも暑いのに、こんなことを書いているのも間抜けなことです。

が、もうやけですから、ついでに、気象用語の暑さを語る言葉も気象庁のサイトで調べて整理しておきましょうか。

夏日→日中の最高気温が25度以上の日
真夏日→日中の最高気温が30度以上の日
猛暑日→日中の最高気温が35度以上の日
熱帯夜→夜間の最低気温が25度以上のこと

知っていたつもりでしたが、夏日が25度ならもう東京は5月ごろから夏でしたし、今年は真夏日も6月下旬からけっこうあった気が。

猛暑日は、2007年から新しく定められた言葉ですが、全国的にみれば35度以上の日なんて、ずいぶん早くから登場してましたよね。

…うーん。
暑さのことを考えているとやっぱりうんざりしてきますね…。

もう一度、日差しのレースを見て気休めしよう。

ヒカリのレース模様

こうして意識的に探すと、けっこうあちこちで見つかりますね。

温故知新の夏暮らし

もともと日本の夏は蒸し暑く過ごしにくいところに加えてこの温暖化。
かつての日本の家は冬の暖より、夏の涼を気にして、とにかく風通しをよくするよう建てるのが基本であったとか。

その賢い知恵をなんとなくないがしろにしてきたツケというのもあるんでしょうか。

しかし、海が近いというのに、この東京地方の暑さはいったいどうしたことだろう?

科学と技術発展による冷暖房にだけ頼って作られた現代の住宅は、気密性が高く、ついでに陽射しをさえぎる深い軒も取り払われてしまって、夏には直射日光を浮けまくる。
その大元の科学技術=電気が揺らげば、ただの熱い箱です。
外出すれば、アスファルトの道も太陽の照り返しで気温上昇に一役を担いまくりだし。

そもそも海側にどでかい建物を建て過ぎでは?
これじゃあ、風が抜けませんって。

結局、都会は、エアコン以外の夏対策がな~んにもなされていないってことですよね。

「すだれ」「ござ」「金魚」「行水」「浴衣」「団扇に扇子」「風鈴」「夕方の打ち水」に「夕涼み」…先の暑さを現す言葉を中和しそうな言葉は、みんな江戸時代から伝わる江戸人の知恵ばかり。

江戸時代に戻ってみては?
というのは、あながち暴論ではなくなってきたかもしれず、せめて過去を振り返り、現代的にカスタマイズした知恵と政策はないものか?

そんなことを思いつつ、せめて昼間は暑くても熱帯夜だけは、ごかんべん願いたいなぁ。

「大暑」は暑さ最高潮の日。
とすれば、理論上は、…というか暦上は、後は下って行くばかり…のはず。

次にひかえる二十四節気は8月上旬の「立秋」。
もう、秋なんですがねぇ。

ああ、何を言っても気休めです。

◆今日は、2014年7月23日/旧暦6月27日/水無月乙未の日