2011年3月11日のこと;帰宅難民歩行

昨日の続き。
駒場東大前
→渋谷でお茶タイムのち、渋谷17時20分発
→千駄木自宅21時30着の約4時間の帰宅難民歩行の様子を以下に。

椿

◎明治通りを北上。
渋谷駅近くは道路が非常に混雑し、すでに前に進めない状況。
池袋東口のバス停があるのを発見。ちょうどバスが止まっていて乗客が乗車中だが、信じられない長蛇の列。
バスの降車口までもう人がぎっしりで、そこには窓に片頬を張り付け、つぶれそうなかっこうで耐えるたぶん60代ぐらいの男性の姿が見えた。

◎バスは諦め、とりあえず、明治通りをさらに北上。
以前新宿→原宿まで歩いた経験があるので不安はない。
ただまっすぐ行けば新宿タカシマヤの脇に出るはず。
ここで、高田馬場で地震に遭遇した友人からメール。新宿の京王百貨店にいるとのこと。メールの発信時間は、16:24だが、もうすでに17時40分すぎ、メールもずいぶん混乱が始まっているようだ。

◎18時30分、新宿着。
タカシマヤはまだ空いているが、JR新宿の南口はシャッターが降りている、改装中だっけ?と思いながら、友人に会えないかと西口京王百貨店方面に向かう。
もうメールのやり取りができないためたぶん難しいとは思うが…。
南口のルミネは早々に閉店したらしく、硬くシャッターがおりている。
JR系はなんか反応が早いなぁ。もしかしてもう全部シャッター閉めたのかしら?

京王百貨店前は空いているが、入り口付近に人が溢れ、百貨店員らしき方が中に入ろうとする人に頭をさげつつ、入店を断っているようだ。
友人は、どうしたろうと思いつつも、会うことは断念。トイレに入って先に進むことに。

◎新宿西口地下でトイレを待つのに約30分。
あとで思えば、この時間ロスがいちばん長かったが、そこでややカラダを休めたともいえる。
後ろにたって待っていた女性は、明日から海外出張らしく。しかし、非常に落ち着いた物言いの電話を関西弁で。もしや、阪神淡路震災も知っているかたでしょうか。

◎西口から北上する手もあるが…。
間違うと歌舞伎町界隈に迷い込む可能性もあるので、東口地下をつっきり、伊勢丹脇から明治通りに出ることに。
東口地下には、新聞をしいた上に座り込むビジネスマンの姿が多く。電車の復旧を待つのか、ここで夜を明かすのか…。
寒いですから気をつけて。
しかし、ざっと見て、やたらi-phone率が多いです。誰もが携帯を見ながら親指で操作…ではなく、人差し指&親指でモニターをはじく例の動作が各所で行われ、ややシュールな光景が繰り広がっておりました。

◎さて、新宿から池袋へ。
このルートもそういえば、明治通りを歩いたことがあり不安がなく。電車やバスに乗るのがめんどくさくついつい歩ってしまう自分を小さく褒めてみる。
しかし、直下型地震であったら、こんなにさくさく歩けるわけは無いだろう。
小型の地図はあるが、目安として便利なのは、なんといっても、歩道と車道の境に点々とある行政による地図と、道路上部にある、大まかな方向を示す青い道路標識。そして、この道が何の道なのかの表示などだが、直下型ならそれらすべてが無くなっている可能性もあり、道路自体もガラスやコンクリートなどが散っているはず。
このあたりから、急にヘルメットをかぶって歩く人が多く目に付くようになる。

◎早稲田を過ぎると、都営荒川線が走っている。
が、駅に近づけば、そこには大量の人。やはり歩くかと観念。もう少しで池袋だし…。

◎池袋に近づいたのは、20時数分前ごろ。
まだ、歩き始めてから2時間半か、けっこう効率がいいですね。
私の横を、渋谷→池袋東口ゆきのバスが通過。
おやおや、渋谷で、窓に顔を押し付けていた男性が、ほぼ同じ場所に乗っています。途中何人か下ろしてやや周囲の空間に余裕が出来たようです。
けっきょく、私の徒歩とバスは同じ速さで池袋に着いたようです。

さて、トイレタイムと、だめもとで西武デパートへ向かうが、今度は、半空きのシャッター前にガードマンがたっていて、トイレ誘導は近くの池袋中央公園だかの公衆トイレへ行けという。
うーん、もう暗いし、そんなところでトイレを借りるのは危険では?
「デパートの中は、安全点検が出来てないので何か上から落ちてきてお客様に怪我などさせたら…」という理由なのですが、全部じゃないだろ、安全なところだけ一部開放すればいいのに、お年寄りとか子供もいますよ。

◎デパートは諦め、近くの豊島区役所へ。
ここは、ありったけの椅子をロビーに並べ帰宅難民に開放。
広域災害用地図も豊富に用意し、職員の方がルートを探すという取り組みを実施中。トイレも空いててきれいでほっとしつつ眺めると、ここで夜明かしをするらしき方も多数。
公会堂も空けたらしいです。

◎私は、もうすぐ家なので、そのまま徒歩実行。
池袋から自宅は、自転車でも徒歩でも何回も通った道で、もうわが庭です。
まず、春日通に入り、大塚まで徒歩。家が近いと思えばおなかが空いた。
しかし、入るコンビニはすべておにぎり&パンの棚は空っぽ。流通が止まっているのか?バスもあんだけゆっくりだったしなぁ…。
でもこれって売り損じだし、震災時は公共的な拠点でもあるはずのコンビニならば、地震を想定した流通対策ってないのかしら?
仮にそうゆうのがあって、今回、それを実行すれば良い訓練になるはずだし、とかく差別化にまい進しつつもけっきょく横並びのコンビ二業界。
他を引き離し一歩前進なのではないかしらん?
それとも、もう米もパンもない?など、つらつら考えながら、もう不忍通り。

◎コンビ二、スーパー、お弁当屋と、不忍通りをおにぎりを探して前へ進む。
結局、家の近くのオリジンで、お弁当を買って、自宅前9時30分着。

トータル、4時間10分、万歩計の歩数は40121歩、24.07km。
おおっ!すごい、昨日、一昨日の二万歩越えは、このためのトレーニングだったかとまた暢気なことを考えてたとたん、当然のようにエレベーターが止まっているのを発見。うっ…。
9階まで延々のぼる羽目に陥りました。
ああ…。

◎トータル、4時間10分、40121歩、24.07kmを支えた靴は、nakamuraの靴。
靴ずれ、痛みなどまったくありません。
足にあわせて、きちんと作られた靴は、ヘタな運動靴より歩くのに適している証明でもありますね。
途中、かかとの高い靴やビジネスシューズのため、歩行困難に陥っていた方を多く目にしましたゆえに、なおさら、感謝!のnakamuraの靴なのです。