さて、かなり個人的なこだわりで恐縮ですが、あることを知ってから、鶯餅は、立春二十日ごろに、いただくことにしております。
あることって何ですか、って?
七十二候の「黄鶯睍睆(うぐいすなく)」の時期にもいっこうに鳴かなかったウグイスも、かつて江戸東京界隈では、立春二十日頃には初音を発したと知ったから。
それが、ちょうど今ごろ。
もちろん、この都心で鶯の声…は難しいので、かつての初音の森や鶯谷にも程近い場所で鶯餅を求めてよしとします。
写真は、谷中五丁目の和菓子店・荻野の鶯餅。
千代田線千駄木駅前から谷中霊園に至る三崎坂をだらだら上がって道が平らになるあたりの左側、道に面した小さな和菓子店があります。
昼ごろに前を通って、「ああたくさんあるな」と確認しても、夕暮れ時にはもうほとんど何も残っていないという人気店です。
この時期の鶯餅は一番人気なのだそうで、例年、何回も空振りにあい立春二十日どころか三十日ぐらいになってしまうので、今年は余裕をもって入手しました。
ここの、鶯餅は、こし餡を求肥で包んで楕円形にしたものに、黄な粉をたっぷりまぶしたもの。
青大豆の粉(青きな粉)や、青えんどう豆の粉を使うと、もっと鮮やかな鶯餅になり、そちらが正式なものという方もいますが、森で鳴く鶯の声がわりですがら、この素朴さが似つかわしい感じ。
実際、黄な粉自体が美味しく、それがたっぷりまぶされているのがまた嬉しいものです。
◆今日は、2014年2月22日/旧暦1月23日/睦月甲子の日
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