ひな祭りの準備とか言って白酒を買う/2/26=旧1/27・戊辰

早いモノで、もう2月もあとわずか。
街のショウウインドウにもひな人形がちらほらと、旧暦時代の2月末なら、もっと本格的にひな祭りの準備にかかるころ合いです。

ということで、今年も「白酒」などを入手してみた次第。

White sake2

かつて、「白酒」は「菱餅」とともに、3月3日の桃の節句には欠かせないものだったそう。
でも、だからというわけでもなくて、実は「菱餅」などは今のところ、準備しようとも思わない。
なので、理由は別に。

かつての江戸市中。
当時、鎌倉河岸に、酒屋兼一杯飲み屋の酒商「豊島屋」という店があり、「山なれば富士、白酒なれば豊島屋」といわれたほど、そこの「白酒」は江戸中で知らない人はいないほどの大人気だったそうです。

毎年2月25日ごろが売り出しで、その日には、白酒を求める客が店に殺到、混雑振りは相当なものだったとか。

実は江戸(の町人文化)好きの私にとっては、非常にココロ惹かれるお話。

あら、そうなの?!
と、ある年の今頃、勇んで、その痕跡探しに鎌倉河岸があったとされる場所(現在の千代田区内神田二丁目あたり)に足を向けまして。
もちろん、ただの高架下の川…になっていてガッカリ。

ああ、江戸は好きだが東京は嫌い…などとうらぶれておりました。

その後、その豊島屋が今も健在!
関東大震災や空襲などで、場所は変わって千代田区猿楽町で店を構えている!!
明治にはいって清酒の製造をしつつ店を盛りたて今に至るが、白酒ももちろん現役商品!!

などなどと知って、「白酒」入手に至ったしだい。

現代の豊島屋製「白酒」は、写真のように可愛いビンにつめられて、毎年1月下旬ごろから売られている。
で、こちらは毎年かつての豊島屋の売り出しに併せて購入しにゆく…が習慣になってしまったという話。

中身は、もち米、米麹を味醂に仕込み、石臼で擦った、昔ながらの製法にこだわった白酒で、成分表示のところを見れば、アルコール度7%とあって、白酒は甘酒などとは違って立派な「酒」。
これを女の子の祭りにかこつけてなぁ…と、オトナ江戸人に思いをはせつつ、ちょびちょびいただくわたくし、実は下戸。

ちなみに、この「白酒」には、豊島屋の売り出し風景を描いた「江戸名所図会」(写真)とその裏には、「白酒売り出しの口上」が付いているのも私にとっては大きなバリューです。

◆今日は、2014年2月26日/旧暦1月27日/睦月戊辰の日
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