みんなで手を広げてくるくるまわって踊っているような姫踊子草。
コチラは、スカートをふんわり広げて座っている?
いや、その名は仏の座。
同じ紫蘇科オドリコソウ属の植物だからか、見かけても一瞬区別がつきにくいけど、よくよくみればこんなに違う。
区別が付かない理由は、「姫踊子草」は、けっこうどこにでも生えている一方、「仏の座」が、なぜか街中ではあまり見かけないことにあるかもしれない。
実際、田畑や土手が豊富な土地なら、この二つの草は同じようなところに咲いて見分けも容易。
たとえば、故郷の東北の街なら、今ごろは、ここにもあそこにも群生が見られます。
それが、なんで東京の街中では希少なんでしょうか?
…と、いぶかしくも思いますが、ともかく、この機会に、その違いをじっくりと眺めて楽しみましょう。
◆「姫踊子草」は、上部に紫色の葉っぱをかぶり、その下からピンクの花が放射状に顔を出す。
それが、踊り子が「笠」をかぶっているようだというので、この名がついたんだとか。
◆「仏の座」のほうは、笠に見えるような部分などまったく無くて、半円形の葉っぱが、茎を取り囲むようについて、花はその上に咲いています。
それが、仏像が座っているあの蓮の台=連台に似ているから仏の座なんだそうで、ああ、なるほど、なるほどね。
日本人の雑草命名の仕方には、時々センスを疑うようなものもあるけれど、この二つはなかなかに上手い名前をつけたものです。
さて、ふたつの違いがわかったところでもうひとつ。
春の七草のひとつ「ほとけのざ」。
今度は、おんなじ名前なもんで、東北の地でも、「コレの出始めが、七草のアレ」とか、やや混乱。
実は、七草粥に入れる「ほとけのざ」は、キク科の「田平子」(たびらこ)が正しい⇒こちらのサイトなどでご覧ください。
これは、写真の「仏の座」とは似ても似つかず、やはり今時分、蒲公英みたいなロゼット葉を広げて地面にはいつくばって、小さい黄色い花を咲かせています。
…といっても、都会に住みはじめてからは、向島百花園で見つけたことしかないのですが。
しかし、まったくもって、植物の世界は、なかなか手ごわく、興味深く、こうゆうことを新たに知ればますますもって面白く。
「何かないか、どこかにないか」
…と、空き地を見れば、雑草もとめて、虎視眈々と眺め、時にそこに分け入り。
道を歩けば、地面の際とかコンクリート塀や石垣の割れ目ばかりを眺めて歩くことになります。
そして、路地の民家の入口に発見!
おおっ!仏の座が活けられている!
いったいこんなにたくさんどこにあったんでしょうか?
仏の座だよね?
仏の座です。
この、雑草を飾るアイデアはいただきです!
◆今日は、2014年4月14日/旧暦3月15日/弥生乙卯の日