シロツメクサを見るとやりたくなるコト/旧4/30・己亥

春早々から、その存在はありました。

が、堅い地面に小さく丸い三枚の葉っぱが次々と芽吹き、いつしかあたりが、この柔らかい緑で覆われるのは、今ごろのコト。
初夏と盛夏のあわいの今ごろこそが、シロツメクサのシーズンです。

201005シロツメクサ上野

これを都会で見つけるのは容易なようで難しく、こんもり緑に群生する場所に偶然出会えば、さっそくその中に分け入ってやってみたくなるコトがある。

その1 幸福のしるし「よつ葉探し」

地道に時間をかけて、根気よく探せば、ひとつやふたつは見つかるもので、それって、ほんとうの幸福もそうかも。

20090521クローバー

見つけたそれは、大切に飾って、しばらく眺めて過ごし、のちに大事に押し葉にする。

もしも、白い小花も咲かせて、密集したのを発見したら…。

Exif_JPEG_PICTURE

やってみたくなるものその2 シロツメクサの花冠を作りたい!

20070626シロツメクサ

田舎育ちの子ども時代。

空いた土地には、やたらとこの草が生えていて、今ごろになれば、白い花も一面に咲きました。
そんなものを見つけた日には、日暮れが遅くなった日々も手伝って、女の子たちは、おしゃべりしながらせっせと冠編みに精を出します。

まずは、シロツメクサだけのシンプルなやつ。

次には、スミレやヒメジョンとか、春の花咲く雑草を織り交ぜて華やかバージョンをもうひとつ。

小さめの輪にして腕輪とか、おまけに一輪二輪を組み合わせて指輪とか…。

アクセサリー的なものをとりあえず全部作って身につけ、最後はシロツメクサの群生する真ん中でぎこちなく踊る。
とりあえず、舞踏会ごっこ…のつもりです(笑)。

まったく暢気な女の子達は、こうして、夕ごはんの時間も忘れる始末。
もちろん、こっぴどくしかられ、罰として夕飯抜きで締め出され、花冠を頭上に飾ったままで軒下でえんえん泣いた子もいたんじゃあないか?

思えば、ツクシ摘みではじまった雑草遊びは、このシロツメクサの花冠でクライマックス。
よくある草とはいっても、その存在は子どものときから特別で、もしかするとその頃からずっといちばん好きな雑草かもしれません。

シロツメクサは白詰草と書いて、その名こそがルーツ

シロツメクサは、江戸時代にオランダから贈られて来たモノが、やがて日本に自生しました。

種として?
花として?

いいや、ガラス製品の梱包材としてです。

シロツメクサの花を乾燥したのをガラス製品のまわりに詰めて、あこがれの異国の宝物ギヤマンは、花に守られながら、はるばる海を渡って来たんだそうです。

つまり、「白い詰めものの草」=シロツメクサ。
それの種が偶然地面に落ちて、いつしか、日本中の空き地に広がった。
…ってことでしょうか?

そして、幸福のしるしを探したり、花冠を作ったりする子供の遊びも生んだということでしょうか?

なんとも素敵な話です。

といっても、白詰草が、これほど日本中に繁殖したのは、明治時代に家畜の飼料用としてどんどん育てやがてそれが野生化したからだとか。
さらに、根っこに肥料として重要な窒素を溜め込む根粒菌を持っていて、それが土壌を豊かにもするし、シロツメクサが生えた地面には他の草はなかなか育たないので、他の雑草防止にも役立つのだとか。
で、つまり、人為的にもずいぶん積極的に繁殖させた感じ。

こんなに可愛いというのに、なかなかな働き者でもあって、ガラスを贈られるついでに、私達はヨーロッパからずいぶん良いものをいただいたようにも思えます。

◆今日は、2014年5月28日/旧暦4月30日/卯月己亥の日/明日は新月!何かスタートさせたいなら明日が最適!