梅に紫陽花。眺めたら食べたくなって、また眺めたくなり/旧5/3・壬寅

今年はじめの梅祭りには華やかさを誇った湯島天神の梅の花。

緑茂った間から青い実を覗かせ、もう梅の実の季節到来です。
季節が巡るのは、早いなぁ~!

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梅花の華やかさはありませんが、枝振りの良い木に、まあるい緑が実る様子も一興ですね。

こっちは小粒ながらもたわわに実る。

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蒸し暑さの中にも、清涼を感じる美しさです。

実は、境内を抜けて近道しようとしたものの、青梅の実に呼び止められるように、しばし眺めて楽しみ、ああ、とんだ寄り道となってしまいました。

急いで、境内から春日通り方面へ出て、切通坂をだらだらと下り、天神下の横断歩道を渡って駅の方面へ急ぎ足。
と、寄り道の分を取り戻そうと焦る視界にまた「青梅」が!!

交差点の角にある和菓子老舗・つる瀬のショウウインドウには、お菓子の「青梅」が、もぎたての本物のような顔をして並んでいました。

コチラの「青梅」は、4月下旬、柏餅なんかと一緒に店頭に現れて盛夏まで楽しめるお菓子。
まだまだ、楽しむ間もありそうですが、天神様の青梅効果か、もう食べたいモード一直線です。

実は、駅へのひとの出迎えのため急いでいる私。
…なんですが、もう遅刻を覚悟して、ココロ落ち着けショウウインドウの中を覗き込みます。

「青梅」ふたつに、「ふく梅」ふたつの梅尽くしといきましょうか。
ひとつずつは、待たせた人へのお土産用に包みを分けて、遅刻をごまかそうという魂胆。

いやいや、それもいいけど、和菓子をいただくならやっぱり季節感ははずせない。
だから、結局「青梅」には、「あじさい餅」と落ち着き、写真のような組み合わせになった次第。

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ちなみに「青梅」は、梅の実を煮て練って作った青梅餡を求肥で包むという、見かけに対して凝った和菓子。
餡に細かく刻んで入れられた梅の実の食感がさわやかで嬉しい味です。
そして、秀逸なのは、この姿カタチ。

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…ちょっと拡大しすぎですが、一瞬ホンモノの青梅に見えます。

「あじさい餅」のほうは、道明寺で漉し餡を包んだだけのシンプルな餅だけど、やはり美味しく、まるく花咲く紫陽花を彷彿しながら惜しんでいただく。

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「あじさい餅」をいただいていたら、思い出したのは白山神社のあじさい祭りのこと。
ああ、そういえば、そろそろ紫の花が見ごろを迎える時期、あじさい祭りは6月7日からです。

…ふふふっ。
そういえば、昨年も、こんな時期にこんな風に「青梅」と「あじさい餅」をいただいたっけ。

青い梅の実を見て→つる瀬の「青梅」が恋しくなって→「あじさい餅」まで一緒に買う。
って、もう毎年の恒例行事になってるかも。

そして、「あじさい餅」の意匠が、あじさい祭りを思い出させてくれたんでした(笑)。

何の進歩も変化もないことがおかしくて、そのまま、ふふふと、思い出し笑いが止まらなくなる。

それでも、コレって花や実が毎年淡々と繰り返し咲き実るのに似て、なんだかとっても、幸せな繰り返しだななどと思い至ったり。
…なぁんて、ちょっとあつかましいでしょうか。

そろそろ、季節は、雨降りばかりの日々に入り、それでも、雨の恵みに打たれて、今年も紫陽花は見る見るその色を深めてゆくことでしょう。

お店には、西からやってきた青梅が売られはじめています。
東京あたりでも、そろそろ梅の実を採る日到来。
梅のシゴトの時期も到来!

これぞ、幸福なる日々の繰り返しそのもの。
それ以外のなにものでもありません。

◆今日は、2014年5月31日/旧5月3日/皐月壬寅の日