書店で立ち読みして、衝動買いというのは、近頃の私にしてはひじょーに珍しい。
しかし、この本は、そのままおいて立ち去れませんでした。
『はじめての梅しごと手帖 少量でもおいしくできる』 若山 曜子著 家の光協会
冷蔵庫とベランダ(か日の当たる風通しの良い室内でも可かも?と…そしてジップロックがあれば、梅干しができてしまう!
…という本。
保存食=大量生産という、ステロタイプの思考を、根こそぎひっくり返してくれる、“少量から気軽に作つくろう”という画期的なコンセプト。
表紙をめくって、数ページ目にある
青梅1kg=500gを梅酒+500g梅シロップ
黄熟梅1kg=500gを梅干し+500g梅ジャム
…という図を見たとたんに、もう、この本の新しさ&素晴らしさにカンドーすらしたものです。
旬の食材がないに等しい現代に暮らして、わずかに残る旬の「青梅」「黄梅」って、仲良くなりたい食材のひとつ。
自前の梅の樹でもあるならいざ知らず、最小単位が1kgの梅をスーパーから買ってきて、うまく利用しつくす自信って案外なかった。
しかし、500gなら大丈夫そうな気がする不思議。
そして、1kg買ったら、2種類もの梅のシゴトができてしまうワクワク感。
本書は、それらを全部、読者に期待させてくれるのでした!
しかも、梅干しは、ジップロップで漬けるんですよ!
素晴らしいっ!
ということで、第一弾の梅シロップは、もう仕込み中
→詳しくは、「七十二候・螳蜋生に入ったら梅ジュースを仕込もうか/旧5/11・庚戌」にて。
この梅シロップだって、夏場の必需品ながら、1kgの梅でどどーんと作り続けるのは結構ホネ。
それが、本書で「梅シロップ用の青梅は下準備として凍らせる」こと、さらに「1ヶ月ぐらい凍らせて保存が可能」ということを知る
→「なぁんだ。時間差で2回に分けてつくればいいんだ!」と膝を打つ。
本書の新しさはもうふたつ。
1.梅シゴトの途中で生じる余剰物…梅ジャムに不要な梅の種とか梅シロップをとったあとの梅の実とかの利用法も書かれている。
2.梅シゴトで作った、梅干し、梅ジャム、梅シロップなどで作る料理が、ふつうっぽくなく、簡単で面白く、おいしそうである。
…一例を申せば、私は、梅ジャム+さつまいも+寒天=梅ジャムようかんをつくってみたい!
ということです。
目次をこちらに転記してみましたので、ここからその新しさの一端を読み取ってみてください。
第1章 梅干し・梅ジャムをつくろう
梅干し(白梅酢・梅のオリーブオイル漬け・はちみつ梅 ほか)/梅ジャム
第2章 梅酒・梅シロップをつくろう
梅酒(ブランデー梅酒・日本酒梅酒)/梅シロップ
第3章 「梅しごと」を 料理に使おう
梅干し・梅肉を使って(梅とトマトの炊き込みご飯・梅しらすチャーハンほか)
梅みそを使って(梅みそ回鍋肉・あじの梅みそ焼き ほか)
梅酢を使って(いり卵とじゃこの梅酢ちらし ほか)
梅じょうゆを使って(鶏肉の梅じょうゆから揚げ ほか)
梅シロップ・シロップの梅を使って(梅シロップ寒天 ほか)
梅ジャムを使って(梅ジャムようかん ほか)
とにかく、この内容で1080円(税込)って、元とれまくれそう。
リーズナブルかつ、バリューありまくりな1冊