七十二候・螳蜋生に入ったら梅ジュースを仕込もうか/旧5/11・庚戌

七十二候は、6月6日から「螳蜋生」の季節(~6月10日)

「かまきりしょうず」と読みますが、ああ、あの昆虫のカマキリは、いまごろ生まれてくるんですねぇ。
…と、暦に教えられるものの、そういえば、カマキリなんてもう何年も見ていないような気がします。

田んぼと畑だらけの場所で育った恩恵で、子どもの頃は、虫たちの出会いとは事欠かなかった。

秋に、泡の塊みたいに産み付けられた卵のカタチや、それが、背高の草や樹の枝など、比較的高い場所に産み付けられて、きたる冬にはそこまで雪は積もらないだとか…。

「カマキリは、子供たちを守るために、翌冬の積雪の高さを予言するのだ」と、まことしやかに教えてくれたのは、農家の同級生だったかな?
…とにわかに思い出しました。

それって、ホント?

そして、カマキリは、害虫を食べるから、田畑にいても、ヒトは、カマキリを邪魔ものにしないってコトも、その子が教えてくれたと思います。

1年に72種類しか選べない暦アイテムに、ここでカマキリなのは何故?
とも思うけど、つまり、農事にとっては益虫だったからかもね。

翻って、七十二候は、そもそも農事暦として生まれ、日本人も、その目的で輸入して、日本に合うようにマイナーチェンジしてきたことを、いまごろカマキリに教えられたりもします。

…と、どこまでつらつら、書き連ねても、都会ぐらしの悲しさで、カマキリとの出会いはありません。

梅ジュースを仕込みましょう。

「麦秋至」の時期に、らっきょうを漬けて、私流の七十二候は、「辣韭秋至(らっきょうのときいたる)」に認定。
ならば、「螳蜋生」の時期は、青梅を仕込んで、個人的に「青梅生(あおうめしょうず)」にしてやろうかと。

店頭を青々と染める、青梅を買い込んできました。

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5月の末から、ぼちぼち出始め、最初は立派な粒ぞろいでしたが、今ごろになると、粒が揃わないお買い得バージョンが登場します。
ただし、らっきょうのように500gと小分けで売られていないのが難点でしょうか。

流水で洗うと、青梅の匂いが立ち上がり、快感!

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梅の実には、アロマ効果があるかもしれない

梅はけっこう足が速いので、買ってきたら鮮度が落ちないように、さっさ、さっさと下準備が肝要です。

成り口のへたを竹串でほじほじととる。

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…本当は「梅の樹から収穫したら…」と言いたいところですが、まあ、そこは梅の樹を持たないモノの悲しさ。

そういえば、あれほどあった小石川植物園の梅の樹ですが、梅の実はどうするんだろう。
…とか。
天神様の梅は、そろそろ収穫のときだろうか?
…とか。

梅がらみのコトをあれこれ考えつつも、ひとつひとつ丁寧に。

あたりには、梅の香りが満ちて来て、うっとり。
もしや、梅は香りにまでも、何かヒトによい効果があるんじゃあないかと思うほどです。

1kgなんてあっという間、ぜんぶ、ほじり終わりました。

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これを、水につけて、しばし放置。
梅のあく抜きです。

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大きな容器がないので、ボウル以外に、深皿などを大動員して、まあ、2~3時間ってとこでしょうか。

ココからは、先日買った画期的な梅シゴトの本のとおりにやってみようかと。

いつもは、このあと、梅の実に、竹串でぽつぽつ穴をあけ→熱湯消毒した瓶に詰め→はちみつを入れ→放置。
という作り方をするのですが、今年は、先日買った『はじめての梅しごと手帖 少量でもおいしくできる』 という本を参考にしてみます。

この本は、書店で読んで即購入…という、私にしては珍しすぎる買い方をした本。
やはり、“少量でもおいしく”のコピーに惹かれるところが大きかったですね。

さて、この本によれば、「竹串でぼつぼつ実に穴をあける」などという面倒な作業は皆無。
保存袋に入れて、一晩冷凍するのだそうです。

ということで、一晩経過の梅の実。

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「凍らせることで梅の繊維が壊れ、エキスが出やすくなる」のだとか。
うーん、楽です。

しかも冷凍可能期間は、1ヶ月もあり、梅ジュース(本書では梅シロップと表現)ができるのは、仕込んでから2~3週間後。
調度よい時期に消費できるように逆算して仕込むのも可能かしら?
…と、やや期待します。

というコトで、今回仕込むのは500gのみ。
今年は、はちみつではなくて、てんさい糖を使うことにしました。(本には、グラニュー糖とありますが、カラダを冷やすので基本的に、私はつかいません)
分量は、いつも適当ですが、今回は、本書に記載のとおり、きちんと守ることに。

梅500g;砂糖400g:酢大さじ2としました。

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昨年、無印で買った果樹酒の容器(1.2L)に入れて、冷蔵庫の野菜室に放置…ではなく、コレは、ときどき瓶をさかさまにするなど世話が必要。

本当は、冷暗所に置くとありますが、東・南・西に大きく窓を持つ我が家、実は、終日暗い場所がありません。

しかたないので、やや温度が低めの冷蔵庫野菜室がいつもの定位置。
それでも例年梅ジュースをつくってますので、まあ、今年も大丈夫でしょう。

この第一瓶が完成したら、残りの冷凍梅を仕込むことといたします。
完成したら、また、ココでお見せしたく。お楽しみに!

「螳蜋生」ならず、私の七十二候「青梅生(あおうめしょうず)」の1日でした。

◆今日は、2014年6月8日/旧暦5月11日/皐月庚戌の日