七十二候「乃東枯」は、靭草が主役。がっ!咲いてないので「夏草麗」に/旧5/28・丁卯

二十四節気「夏至」とともに、七十二候は「乃東枯」の季節にはいっております。
(6月21日~25日)
読みは、「なつかれくさ、かるる」となりますが、読み通りに「夏枯草、枯れる」という意味ではないようです。

夏枯草は「かこそう」と読み、いまごろムラサキの花を咲かせ、しばらくたつと、花が黒ずんで見えるので枯れたように見える…花。
まあ、だから、夏枯草という呼び名がついた。

そして、季節としては、「夏枯草が咲くころ」ぐらいの認識でよいのでしょうが…。

って、そんな花、いままで一度も見たことがありませんので、全然全然リアリティありませんって!

もう少し調べてみれば、夏枯草は、「靫草(うつぼぐさ)」と呼ばれるのが普通の野草で、それなら植物図鑑にのっていました。

親指ぐらいのちんまりした花穂に、青紫色の小さな花を咲かせた様子がキレイで、花が終わる花穂だけのこって、それが黒く枯れたようにみえますね。たしかに。→ウキペディアにもありました

花の頃は、6月というので、あそこになら咲いているかしら?

…と小石川植物園へ。

がっ!

Exif_JPEG_PICTURE

咲いてねーよっ!
ってか、何もないんですが、どうしたの?

ああ、お話になりませんね。

この365日の暦日記のコーナーは、二十四節気・七十二候を中心に、雑節、節句、年中行事などをテーマに、自分で見て撮った写真と文で、追ってゆくモノですが、いよいよここにきて、その主役が存在せずの事態!

ああ…。

ウツボグサは、小石川植物園の薬園保存園にあるので…。

あるといっても、上の写真のように表示のみなんですが、それでも、というなら、小石川療養所時代にゆかりある野草。
もともとは漢方の材料だったコトの証拠です。

表示看板をじっくり見れば、花穂が、利尿・消炎作用があるとの表記。

植物図鑑にもどれば、田んぼの畦や草地でよく見かける草とか、山野でみかけるだとか。
暦のアイテムに使われるぐらいですので、いまどきならあるところには生えている草なのでしょうが…小石川植物園ったら、いったいどうしたことでしょう??

ここまで来ると、マジで実物を拝んでみたいものだわ…ぶつぶつぶつぶつ。

しかし、ココは楽園のごとくです。

ぶつぶつ言いつつも、ふと、あたりを見渡してみます。

馴染みあるはずの小石川植物園の様子が、なぜかいつもよりぐーんと美しい!
Exif_JPEG_PICTURE

何か別世界へ通じているような森のようでもあって。

Exif_JPEG_PICTURE

とにかく、あのベンチに座ってひと休みしよう。

Exif_JPEG_PICTURE

見上げれば、ああ、木漏れ日…。

Exif_JPEG_PICTURE

そういえば、好きで日参していた気になっていたココも、気まぐれな天気続きのこの季節は、足を運んだことがなかったのでした。
こんなに美しい光景がくりひろがっていたとは…。

咲いていなかったけれど、「ウツボグサよありがとう!」と言っておこうか(笑)。

ということで、この時期の、私流の七十二候は「夏草麗」としておきます。

「なつくさうるわし」、青葉や草草が美しく、心に爽やかな風が吹く日々ということです。

来年も忘れず、この時期小石川植物園にやってこようという、備忘録も兼ねました(笑)。

◆今日は、2014年6月25日/旧暦5月28日/皐月丁卯の日

コメント

  1. 安田裕隆 より:

    安田です。
    ネットの高知新聞で見つけました。
    http://www.kochinews.co.jp/?&nwSrl=321957&nwIW=1&nwVt=knd

    練馬区立牧野記念庭園記念館で牧野博士の万葉の草花を描写された原画展が開催されているそうですね。

    http://www.makinoteien.jp/

    当方がまだ単身赴任中、2011年の時にやっていたのと同様な企画でしょうか。

    http://fronte360.seesaa.net/article/387787476.html

    とにかくまた行きたくなりました(本当はまた単身赴任したい)。

    • taomichiru より:

      安田さん!
      いただいたコメント、ずーっと非承認ですみませんっ!

      GWに入ったころから、何かものすごいスパム攻撃にさらされ、それを処理するのに精いっぱい。
      コメントが埋もれてしまっておりました。

      数日前から、なぜかその攻撃が何事もなかったかのように止み…。
      この期に処理しきれなかったスパムを消していったら、このコメントにたどりつきました。

      ああ、大変失礼いたしました。
      またよろしくお願いいたします。