今日は、二十四節気の「小暑」の日。
江戸の暦の参考書『暦便覧』には、「大暑来れる前なればなり」と記されています。
…うーん、「すごく暑くなる前なので小暑なんです」ってことですか?
なんだかいきなり気の抜けた解説にも思えますが、つまり、この日あたりから暑さがだんだんと本格的になってゆきますよという意味にとりましょう。
ちなみに、二十四節気をさらに三つに分ける七十二候も今日から7月11日までが「温風至」(あつかぜいたる)。
なんか暑さのダメ押しをされているような感じもあって、猛暑、酷暑続きの現代ですと、もううんざり。
二十四節気をまじめに日々の目安にしていた時代の人は、「小暑」に「温風至」と言われてどんな感じだったんでしょう、ちょっと聞いてみたい気もします。
特に、節電が叫ばれてる昨今は、家々の軒下やらアパートのベランダには、つる植物が植えられ緑のカーテン化計画が進行中。
もっと顕著なのは、窓に簾がかけられたお宅や、店頭に葦簀を立ててるお店などが、ずっと増えたことでしょうか。
やはり簾は、古いお宅に似合いですよね。
とにかく、街全体で、来る暑い夏に対し準備万端整えているといった風情が頼もしく、「小暑」も「大暑」もやってきやがれという気分にもなりますが、やっぱり暑いのはいやですね。
この無駄な暑さをどこかに貯めおき、寒い冬に使う発明など、どなたかやってくれやしないか…などと、ああ詮無い脱線でした。
「小暑」は梅雨明けがもうすぐそこまで来ている目安
このブログでも何回か書かせていただいていますが、梅雨の終わりは大雨が降ることが多く、それが高じて「梅雨出水」=洪水になりやすい時期。
他にも、「半夏雨(はんげあめ)」とか、「半夏水」なんて、同じ意味をもつコトバもありましたね。
かつては、こちらの経験知のほうが重要でもあって、「小暑」の声を聞いたら、やっと育ち始めた農作物が流されないように警戒を強めた。
もちろん、現代ならば、ゲリラ豪雨に注意する時期でもあります。
ご注意を。
ここからが夏本番…かぁ…(ため息)
さて、「小暑」とくれば、「梅雨明け」「夏の土用」「大暑」と、しばらく、暑さが募る言葉が続き、この季節の流れの中できっと蝉も鳴き出すでしょう。
ああ、そう考えると、もういまから暑い暑い。
というか、今年も、5月末ごろからもうすでに暑かったよ、それがもっと暑くなるって?!
もういい加減にして欲しいかも。
なんて、暑すぎる夏を疎ましく思い、ちょっと愚痴っぽくなるのも、そういえば、ここ数年の今頃の風物詩のようなものかもしれません。
そうそう、暑中見舞いも今日から立秋まで。
厳密に言えば、「暑中」は、特に土用の18日間(7月20日~8月7日)を言うそうですが、その暑さをねぎらう挨拶状は、もう今日あたりから早めはやめが正しい。
だって、「小暑」とか言っても、もう充分そうとうな暑中ですから。
…ああ、とにかく今年こそは、夏と仲良く過ごす術を身に着けたいものです。
◆今日は、2014年7月7日/旧暦6月11日/水無月己卯の日