7月9・10日の浅草寺「四万六千日」。
お参りしたなら、ほおずきとともに忘れてならないのが「雷除け守」です。
境内にもこんな感じで巨大バージョンが飾られております。
「雷除け守」は、1年でこの両日しか授与されない、期間限定の縁起物のひとつ
和紙を三角に折り中央に朱印と文字を配しただけの意匠。
それを田楽のように竹の箸状の棒をつけたカタチが珍しい。
裏側の朱印も、意味はいまひとつわかりませんが、面白い模様。(角印のほうは、金龍山浅草寺なんですが…)
私は、1年でこの日しか授与されない…というのに弱いのですが、この意匠の潔さにはさらに惚れ惚れするモノがあります。
非常にシンプルだからこそ、かえって霊験あらたかな感じを醸し出す。
これを我が家に飾れば、本当にしっかり雷をよけてくださるような気がするから不思議です。
…最近、ホントにカミナリ多いですからね。
周囲に雷嫌いが多いこともあって、ここ数年、ほおずき市に出向けば、欠かさず母や友人の分まで授与いただいてくるのが習慣となりました。
雷除守がらみの、「効く!」話だって身近にあります
雷は、広い平地にぽつんとある樹木の下が危ないから避けろとか、街中ならば、金属性の傘先などに落ちるのを注意しろとか。
…とは、落雷除けの注意事項としてよく言われる話。
実際、そゆうことに注意していればまあ、大丈夫かと思っていたら、避雷針を除けて、見ていたTVに落ちたという話がっ!
それが、お守りをさしあげた友人宅の隣の家だったこともあってややびっくりです。
これが江戸時代の話なら、「雷が避けて通った」と、あっという間にうわさが広がり、その後、浅草寺の雷除け守は大流行したんだそうな…となりそうな話ではありませんか。
デザインの美しさだけを喜んでいる場合ではない、さすが観音様の縁起物です。
なにせ、浅草寺の山門は、風神雷神門(ふうじんらいじんもん)=雷門ですからね。
場のチカラみたいなものをしっかり背負って各家々においでいただいている、やはりこういったものは侮がたしと、ますます信頼度が増すというものです。
ふと「鴨居とか家の中の天井に近いところに祀ってくださいね」
…と、社務所で言われたことを思い出し、さらに効果がありそうな場所を探し、お祀りしなおした次第です。
まったく調子がいいったらありゃしません。
浅草寺の雷除守は、江戸時代が発祥
浅草寺のサイトによれば…。
「江戸の昔、落雷のあった農家で「赤とうもろこし」を吊るしていた農家だけが無事であったことから、文化年間(1804~18)以後に「雷除(かみなりよけ)」として赤とうもろこしが売られるようになりました。」とあって、ついには、7月9、10日の2日間だけ境内の露店で売られるようになったのだそうです。
ところが明治時代の初めに赤とうもろこしが不作の年があって、一軒も露店がでない年があった。
「地震、雷、火事、親父」…雷は今も昔も脅威のひとつ。
いや、避雷針など無い時代です、もっと怖いものだったのかもしれない。
参詣者の強い要望があって、浅草寺から、今のカタチの竹の串に挟んだ三角形の「雷除守護」のお札が出され、これが次第に人気を呼んで今に至ったんだとか。
「本物のとうもろこし屋も昭和のはじめまではあったわよね」…とは、浅草の甘味やで「雷除け守」の袋を持った70~80代ぐらいのご婦人たちのお話。
それを、耳をそばだてて盗み聞きました。
とうもろこしが、無くなったのは戦争のせいなんでしょうか。
…というのもあるでしょうね。
浅草寺から授与される雷除け守も素敵ですが、その赤とうもろこしのお守りが売られているところもちょっと見てみたい気がします。
◆2014年7月10日/旧暦6月14日/水無月壬午の日